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内容説明
2012年12月からスタートした第2次安倍内閣では、デフレを克服するために金融緩和措置を講ずるという金融政策が実施される。その政策を牽引するために、リフレ派の論客と知られる岩田規久男が日銀副総裁として向かいいれられた。最初に注目を集めたのが、岩田氏が衆議院の所信聴取での「2年で2%インフレに達しなかった時の最高の責任の取り方は辞任だ」という発言である。国会やマスコミでも何度も取り上げられ、岩田氏の意思は別のところで一人歩きし、2年後に2%には達しなかったのに、なぜ辞めないのだという批判が殺到することになる。しかし、2014年の消費税増税、2015年の石油価格の暴落がマイナスに働いたため、この2年では2%達成することができなかったのであり、それがなければ2%に達する流れだったと岩田氏は振り返る。本書は、2013年から2018年から岩田氏が日銀副総裁として過ごした日々をつづったものであり、それは日本経済の転換点を克明に記したものともいえる。リフレの敵とはなんだったのか? 国会ではどうしてかみ合わない議論になってしまうのか? なぜ、マスコミは数字を誤解したままなのか? 元日銀副総裁が語る本音がここにはつまっている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
k5
67
マイブームとしての財政。紛うことなき同時代史の名著で、著者が信念を持って仕事をされていたのがよく分かります。それだけに、特定の政治家、エコノミストに対する評価が生々しく、章のタイトルが「経済音痴の民主党議員の対応に追われる日々」だったり。読みどころは、宿願であったデフレ対策を取り上げ、金融緩和を実行に移した安倍総理、黒田総裁への愛と、消費増税でそれを台無しにしてしまう彼らへの「なぜ分かってくれないのか」という、もはや青春小説のような切ない気持ちのバランスでしょう。たぶん安倍さんが判断力ないんだと思うけど。2020/07/16
sayan
32
引退間際、日銀に批判的だった著者がよりによって日銀副総裁に就任するところから、引退までの足跡を記録した日記。金融政策を巡る議員とのやり取りは、愚痴あり、言い訳あり、苛立ちありの文章でライブ感がある。同時に、リフレ政策全プッシュだった著者が、消費税増税議論・決定を境に自身の考えにブレが生じた内面を吐露し、悩む場面が印象的だ。(外国から輸入した)金融政策の(日本への)導入プロセスが事細かく記されており、その経過は刺激的だ。読み手に経済学の知識を要求する本書だが、日記と称するだけあって読み物としても面白かった。2019/09/24
Fondsaule
24
★★★★★ 黒田総裁のもと、5年間日銀副総裁を務めた岩田規久男さんの日記を編集したもの。 実際の金融政策の現場の大変貴重な記録だ。 『第4章「経済音痴」の民主党国会議員の対応に追われる日々』には笑ってしまった。 やはり、消費税増税というのはタイミングが難しいようだ。2019/06/23
Emkay
16
2013-18年、日銀副総裁として安倍政権のリフレ政策のど真ん中にいた著者の日記。黒田総裁の会見に対する見解、発表される数々の経済指標に対する分析、2%のインフレ目標が在任中未達に終わった理由の分析、財務省と日銀の世論操作力の差、非礼な態度で的外れな質問を浴びせる国会議員に対する罵詈雑言、メルケルといった要人から教え子に至るまでの会食の様子や内容などなど、全くもって読み応えあり。これほどまでに金融緩和を進めるのが政治的に大変であれば、やはり安倍政権退陣後は色んな揺り戻しがあるんだろう。2020/01/13
Fumi Kawahara
9
「学者」としての立場と、「日銀副総裁」としての立場との違いを考慮して発言に気を付けるとか、野党議員の揚げ足取りでバカの一つ覚え的執拗さとか無知さとかを考慮しての答弁への苦慮とか、もう、「お気の毒・・・」としか言えない・・・まんま「バカを見る目」をする岩田さんが目に浮かぶようだー(って、顔もよく知らんが)。遠慮なくバンバン名前を出しているので、後々参考になりそう(なんの?って・・・もちろん、選挙ですよ!w)。一貫して消費税増税への批判が見られるけど、取り入れた政策への反省と考察もしている。いい一冊。2019/06/22
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