内容説明
画像検索や動画検索に代表される，マルチメディアデータベース技術の基礎となる考え方について解説する入門書です．
計算機において，大量のデータを効率的に扱うための技術をデータ工学とよびます．音声・画像・動画・CGなどのマルチメディアデータに対しては，従来の数値・文字を中心としたデータ工学がそのまま利用できないことが多くあります．マルチメディアデータの特性を把握し，データ工学に基づいてそれらに適した取り扱いを考える技術が，「マルチメディアデータ工学」です．
本書は，データ工学の基礎から，各種のマルチメディアデータの特徴と表現方法，およびそれらの検索に適したk-d木やR木などの各種の索引構造までを，初学者向けに解説します．例を挙げてわかりやすく説明するとともに，具体的なアルゴリズムを豊富に示すことで実装の参考となるように工夫されています．
目次
第1章 マルチメディアデータ工学の基礎
第2章 マルチメディアデータ
第3章 マルチメディアデータモデル
第4章 マルチメディアデータに対する問い合わせ
第5章 多次元データに対する索引構造
第6章 時系列データに対する索引構造
第7章 時空間データに対する索引構造
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
跼
1
マルチメディア工学の入門書。マルチメディアに特化したアルゴリズムやマルチメディア用内容表現モデル（CORM）等のセマンティクス技術、種々の距離空間までを扱っており多様に富む。B+木やX木等のデータ構造の記述が多い。時相論理の記号表記は本書で知った。機械学習には触れられていないため、現在は急激に変化している分野かもしれない。特にセマンティクスは不可避であろう。第６〜７章では著者の論文の内容が登場するが、具体的なコードが無いため読者が手元でアルゴリズムを試すことができず、魅力が伝わりづらくなっている。2024/01/21
