内容説明
幸福とは何か。私たちはなんのために生きているのか──誰もが一度は心をつかまれるこの問題を手がかりに、「世界」と「自分」との位置関係の読み解き方を学んでみよう。たくさんの思考実験と練習問題を通して、自分の頭で考える力が身につく倫理学入門。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
(haro-n)
83
筆者も断っているように、この本は読者に幸福とは何かを啓蒙するものではなく、思考実験を通した哲学的なアプローチを「幸福」を題材に展開したもの。基本的な三つの説から始め、各々の長所と短所及びそれらのバリエーションとして限定条件を加えた場合の妥当性、発展形としての折衷説、一生全体の幸福をどう考えるかという全体論…に至るまで「幸福論」の分析的な考え方の流れを要領よく説明している。私のような初学者には、サラッと説明され過ぎて熟考すべき問題意識や関心は持ちづらいかもしれないが、手法の初歩的なものが理解できる良書。2019/03/06
テツ
30
著者による「幸福とはなんぞや」というテーマの思考実験を追っていく。パーフィットが提示した幸福の三つの在り方について考えるうちに、幸福は人それぞれ千差万別であるというあたりまえのことに気づく。幸福な状態やそこに至るための過程というものにスタンダードな形は存在しない。人は幸せになるために存在しているという考えは個人的にわりと好きなんだけれど、そのためには誰の模倣でもなく誰の価値観に寄り添うものでもない、自分なりの幸福を自分で創り上げなければならないんだろうな。良い本でした。2019/06/21
buuupuuu
22
本書で扱われる「幸福」は、「効用」や「福利」とも言い換えられ、「特定の個人にとってそれ自体として善い物事」を意味している。社会道徳や公共政策にも関わってくるような話題である。「幸福」ということでどんなことをイメージしているかで、考えが変わってきそうだと感じた。1回の食事と人生全体を、同じ枠組みで考えられるだろうか?著者も時間的単位の使い分けに言及している。現代は常に反省的、懐疑的であり続けることが求められるような時代だから、幸福もまた、確定した答えには至らず、延々と問われ続けて行くのだろうと思ったりした。2025/03/13
ステビア
21
ざっとめくっただけ。幸福を哲学的に考える。2021/10/12
ざっく
8
幸福とは何か、色々な説が紹介されているが、感じたのは、思っているよりも幸せは主観だから、他人との比較ではなく主観による幸せの判断に徹した方が良い、ということ。その中で、幸せと快楽、欲求を区別して考えるというのはヒントになると思う。そして、人類の幸福とは何かは見つかることがないだろうけど、自身の幸福とは何かということは見つけることができるのではないかと考えた。達観したような考え方になるが、幸福とは何か、考え続けることが人生なのだろう。2025/06/25
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