憲法問答

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憲法問答

  • ISBN:9784198647063

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内容説明

憲法改正に関する議論は、これから国民単位で語られる重要なテーマ。ほかにも君が代問題、死刑制度の是非など、法にまつわる課題は山積している――。前大阪市長の橋下徹と、憲法学者の木村草太が繰り広げる「憲法問答」から、この国のあるべき姿、国際社会との協調においていかなる道を歩むべきなのかが浮かび上がってくる。10時間以上に及ぶ対談で白熱した議論は、対立構造や二元論を超えた、深みある“憲法論”となった。全国民必読の一冊!

【目次】
まえがき/木村草太

序章/対談後、アフタートーク

第1章/憲法に何を書いてはいけないのか
・政治家は憲法を読んでいない?
・憲法は国に対する義務規定
・「法律婚尊重」の不平等性
・間接適用説を知らない国会議員

第2章/本当の「立憲」の話をしよう
・権力の縛り方
・立憲とは憲法を拠り所にすること
・「法の支配」とは
・最高裁人事を内閣が選ぶのは政治介入?
・教科書採択とルール
・文楽発言の真意
・ダメなやつを辞めさせるのが民主主義

第3章/地方と憲法
大阪都構想での住民投票
辺野古移設問題と憲法
解決のカギは手続法

第4章/9条との対話(1)─「当てはめ」か「解釈」か
・あまりにも憲法ありき?
・自衛権の定義とは?
・サイバー攻撃と新しいルール作り
・72年見解は「遺産」なのか?

第5章/9条との対話(2)─「軍」なのか「行政」か
・日本には軍の規則がない?
・どうなる、集団的自衛権
・自民党の改憲案について考える

第6章/「 護憲」「改憲」の二元論を超えて
・実は根拠のない内閣の解散権
・憲法裁判所の必要性
・国民に付すべきか、付さぬべきか
・「鍵」として機能する憲法
・憲法は権力を動かすか

あとがき/橋下徹

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えちぜんや よーた

84
ちゃんと問答になっているところが白眉w 大阪府民・市民の方であらばご存知の方も多いと思うが、橋下さんが大阪府知事・大阪市長をしたときのぶら下がり会見はひどかった。インパクトの強い「画」を取るためだけに不勉強なマスコミの問答は問答になってなかった。その点本書では能弁な橋下さんに「帰れ!」と一喝されない憲法学者と対決させている。異なる意見についてもどこで妥協点を見出させるか、読者としても良い意味で緊張感のある本だったと思う。日本国と何らかの利害関係がある人は憲法9条に関する議論について必ず目を通しておくべき。2019/03/09

ちさと

31
憲法学者の木村さんと前大阪市長でタレント弁護士である橋下さんの憲法問答。冒頭から意見の相違で取っ組み合いの予感。メインは9条のお話。9条解釈はあくまで理論に徹すべきという木村さんと、純粋な法理論の追求+本来あるべき政策論も重要だという橋下さん。護憲派木村さんの考えに頷く事が多かったですが、権力者の経験がある橋下さんの考えもまた分からなくもなかったり。日本の憲法には軍事行使に関する手続規定が全くない。集団的自衛権を持つかどうか、この規定が大事な部分になりそう。解釈がいく通りにも取れる条文って、ふつう?2018/11/25

onasu

26
気鋭の憲法学者:木村草太氏と弁護士にして政界に旋風を起こした橋下徹氏という法のプロによる「憲法問答」は、正直なところ浅学の徒には分からない箇所の方が多かったが、読んでいく内に政治に関わった経験から熱く語る橋下氏とそれに賛否を唱えるのではなく、憲法解釈を元に冷静に解答していく木村氏という構図がしっくりくるようになる。  無茶をしていたような橋下氏も憲法と対話した上で正しそうな方向に導こうとしていたとか。その政策への賛否はともかく、「憲法とは国家権力を適切に行使させるもの」とは、多岐にわたる至言でした。2018/12/26

HMax

23
勉強不足を実感。70年も経つと、あてはめや解釈ではどうしようもないところまで来ていると思います。もっと勉強して必要性の高いところから少しづつ改憲する必要があると思います。国民投票をどんどん実施しましょう。そのために、まずは憲法を学校の授業でしっかり学ぶ環境づくりを始める必要がありますね。 橋下さんの知事・市長時代の話し、論理的・立憲的でなく、感情的・個人攻撃で反対する「インテリ」が多い、「インテリ」は自分の言動に責任がなく言いたい放題、とのこと、本当に納得します。2019/06/29

hk

23
木村草太氏はしたたかだ。処世術をよ~く心得ている。例えば本書で「日米合同委員会」に橋下氏を誘導して語らせ、木村氏はそれに関して婉曲的な受け答えに終始している。蛇足かもしれないが日米合同委員会というのは正真正銘の出世タブー。つまり本書で木村氏は統治者サイドから睨まれないようにしっかりとわきを固めながら、それでいて対談本という仕組みを利用して「日米合同委員会というタブーにも触れましたよ。俺は反骨心があるでしょー」とインテリ読者層にアピールを行ったわけだ。改めて木村氏と橋下氏では物が違うなと痛感した次第である。2018/12/30

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