スパイス、爆薬、医薬品 世界史を変えた17の化学物質

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スパイス、爆薬、医薬品 世界史を変えた17の化学物質

  • ISBN:9784120043079

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内容説明

小さな分子が社会を変えた!
化学構造式の読み方も身につくユニークな世界史

砂糖、綿、抗菌剤、ゴム、ニコチン、PCB…身近な物質の化学的な働きが、
東西交易や植民地支配、産業革命、公衆衛生、戦争と平和、法律など
人類の発展に与えた影響を、エピソード豊富に分りやすく解説。
文明の発達を理解するための独創的なアプローチ。

こんなあなたにお勧めします。(「訳者あとがき」より)
1 化学を学び損ねた人(本日が再スタートのチャンスです)
2 化学が嫌いだった人(分かれば好きになるものです)
3 知識を増やしたいビジネスマン(すぐには役立たない知識にこそ価値がある)
4 国立大学めざす受験生(一冊で世界史と化学の二科目はお得です)
5 大学に入ってこれから化学を学ぶ人(スタートダッシュが大事です)
6 化学を専門にするが人文科学も好きな人(私でした)
7 授業用に雑学ネタが欲しい化学科の教授(ネットで簡単に深く掘れます)
8 偶然これを手に取ったあなた(家に帰って構造式を実際に書いてみましょう)

<目次より>
一章 胡椒、ナツメグ、クローブ――大航海時代を開いた分子
二章 アスコルビン酸――オーストラリアがポルトガル語にならなかったわけ
三章 グルコース――アメリカ奴隷制を生んだ甘い味
四章 セルロース――産業革命を起こした綿繊維
五章 ニトロ化合物――国を破壊し山を動かす爆薬
六章 シルクとナイロン――無上の交易品とその合成代用品
七章 フェノール――医療現場の革命とプラスチックの時代
八章 イソプレン――社会を根底から変えた奇妙な物質
九章 染料――近代化学工業を生んだ華やかな分子
十章 医学の革命――アスピリン、サルファ剤、ペニシリン
十一章 避妊薬――女性の社会進出を後押しした錠剤
十二章 魔術の分子――幻想と悲劇を生んだ天然毒
十三章 モルヒネ、ニコチン、カフェイン――阿片戦争と三つの快楽分子
十四章 オレイン酸――黄金の液体は西欧文明の神話的日常品
十五章 塩――社会の仕組みを形作った人類の必須サプリメント
十六章 有機塩素化合物――便利と快適を求めた代償
十七章 マラリアvs.人類――キニーネ、DDT、変異ヘモグロビン

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

108
小さな分子の働きが社会を変え歴史を動かす。その分子の化学構造式ーそう、あの亀の甲(ベンゼン環)ーを示しながら文明史を語る。大航海時代、グローブとナツメグを求め伝説の香料諸島へ。数百キロ離れた別々の島の異なる植物、全く違う匂い。成分は各々オイゲノールとイソオイゲノール。同じ組成の異性体。二重結合の場所が異なるだけ。航海を苦しめた壊血病を解決したアスコルビン酸(ビタミンC)の発見。爆薬(ニトロ化合物)から快楽分子、三つの異なるアルカロイド、即ちモルヒネ、ニコチン、カフェイン。などなど。歴史も化学も二兎を追う。2020/04/17

KAZOO

41
世界の文明の歴史を化学的な物質を繙くことによって解明していくという一風変わった歴史の本だと思います。17の話題あるいは化学物質を中心にしてしかもその物質の化学式や反応などを説明してくれています。この本を中学や高校の化学を勉強する前に読んでいたら、という気がしました。内容も非常にわかりやすく歴史と融合されていて、何度か読みたい本の1冊になりました。2014/08/08

太田青磁

38
化学の世界史という理系にも文系にも楽しい一冊。たくさんの構造式が理解を助けます・枝分かれが多ければ多くの先端から大量のグルコースを同時に切り出すことができる・窒素分子の三重結合が作られるとき大きなエネルギーが放出される。これこそ爆発反応・ゴム樹液はコロイド懸濁液・染料は色を持った有機化合物で、可視光線のうち特定の波長の光を吸収する・ペニシリン分子の抗菌活性を説明するのは四員環の不安定さ・ノルエチンドロンが広く使われる国々では40年で出生率が減少した・アヘン、タバコ、お茶は数百年にわたる中国の鎖国を破った2014/01/12

tama

37
図書館書架から すごく面白い!①かつての化学者はサッカリン、ニトログリセリン、アスピリンなどどれも自分で「舐めてみる」「身内で試す」だった!なめんじゃねーよ!②綿火薬は奥さんのエプロンから生まれた。③鎌形赤血球のキャリアはマラリア耐性を持つゆえに奴隷労働の運命を担わされた。④人類が健康的かつ快適であるために生まれたフロン・ダイオキシン・DDT・PCBはいまや悪魔の物質にされてしまった。この本は中学生以上の誰にもお勧めです。「化学」知らなくてもオッケーだし、「化学苦手」なオーガニックママこそ読んで欲しい。2015/02/20

Mzo

31
世界史を化学の観点から記述してみたらどうなるか、というノンフィクション。面白かった!単にエピソードの羅列にならず、化学としても歴史学としても深い理解に繋がる記載がなされている。私のような化学も歴史も大好きな人にはもちろんのこと、どちらかに興味が片寄っている人にこそ、この本を手にとって面白さをじっくり味わってもらいたいな。原著でも翻訳版でも、化学式を省略せずしっかり記載したのはナイスプレー。これがあるからこそ、読み手の視野を広げる良書として大いに推薦できる。2014/01/25

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