内容説明
「不格好な愛」にどう向き合えばいいのか
継母との秘められた関係。
罪から逃れ出た青年は、新たな人生を求め、ガラス工芸の道に飛び込む。
心から信じた者の裏切り、繰り返される過ち。
千四百度の炎に煽られながら彼が探し続けたものとは。
世の中にあふれている「不格好な愛」への向き合い方を問い直す傑作長編。
装画・塩月悠
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あじ
42
息子と継母は手折られたガラスの華になって─。 砕け散った花弁を拾い集めてSとMの伴奏を叩く。 追いかけるようにシンクロする、もうひとつのシナリオ。 それは眠りにつくことを忘れた背徳の囁き。 縦走する糸をつまみ、たわませ、張り直す。 慎重な足取りで指揮を司る作者。 “詩”に刻む永遠の粉砕が美点かな。 ★3/52018/09/02
keith
31
妖艶な継母と高校生の時に関係を持ってしまった元基。その想いを絶ち切るため、家を出てガラス工芸作家の家に住み込んで働き始める。前作「水に立つ人」は素晴らしかったですが、今回はそんなに入り込めなかった。タイトルにもあり作中でも登場する「永遠の詩」ってツェッペリンのことなのかな。曲のイメージと違うけどなあ。2018/11/14
yoshimi
31
【Net Galleyにて読了】愛というものは本来なら美しいばかりのものではない。ドス黒い部分も醜い部分も多分にあるはずなのに、いつのまにかそれは痛いくらい透き通った物へと変化する。真実など何処にもない。物事は結局、人間の『選択された』記憶の中でしか存在しない。ある程度の年月を経てこれらのことに気付くであろうに、主人公の青年はまだ若く気の毒なくらいに痛々しい。だからこそ、その愛は刃物のように研ぎ澄まされた美しい物へと変化するのだろう。キリキリするような美しい文章に嬲られるようにして読了。2018/10/03
うさうさ
30
ゲラ読了。産まれてすぐなは実母が亡くなり母の愛を知らずに育った主人公は、継母と高校生の時に関係を持ってしまう。 ガラス職人を目指しながら継母への断ち切り難い思いを抱え生きている。 ゾッとする設定ではあるが、どことなく美しく感じるのは著者の文章からだろうか。 デビュー作もよかった、今後も楽しみな作家さん。2018/10/08
あおでん@やさどく管理人
29
香月さんのデビュー2作目。香月さんの筆致は自分と相性がいいのか、描写はすんなりと入ってきた。何人もの男を翻弄する希帆からも、愛と罪の狭間で揺れる元基からも様々な思いが伝わってきたが、結局強く印象に残ったのは”寂しさ”だろうか。ガラス工芸という題材が、そうした思いを全て抱えて生きていくしかないというメッセージの効果を強めている。2018/12/14
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