内容説明
著者が長きにわたり考察の対象としてきた,行政の司法的統制をめぐる論稿を収載。フランス行政法との比較法的視点から,わが国の行政行為論を再構成する。
目次
序 命令・強制と合意
序 章 命令・強制と合意の相互交錯
第1部 行政行為の概念─フランス的行政行為概念の特質と形成過程
第1章 序 説
第2章 静態的行政活動分類論
第3章 行政による契約と《分離しうる行為》理論
第4章 行政決定=行政行為論の成立──動態的行政行為論
第5章 M・オーリウとL・デュギイ
第2部 処分性と違法性の承継
第1章 処分性判例の基本型──司法制度改革以前
第2章 2004年行訴法改正と処分性
第3章 処分性判例の柔軟化と多様化
第4章 相対的行政処分論から相関関係的訴えの利益論へ──「法的な地位」成否の認定という視点から
第5章 フランス法における「違法性の抗弁」論──違法性の承継論との関係で
第3部 適法性審査のあり方
第1章 行政裁量の司法審査──概観
第2章 退去強制手続の構造と取消訴訟──東京地判平成15年9月19日を契機に
第3章 国籍・国境・戦後補償と行政救済法
第4章 公共施設利用関係と裁量統制──憲法・行政法の共振回路としての公共施設法
第5章 利益衡量型司法審査と比例原則
第6章 原子炉安全審査の裁量統制