内容説明
世界史は「西世界・東世界・イスラム世界」の三世界の覇権志向で動いてきた。世界史の情報量は膨大。教科書のようにすべての地域を余さず網羅していったら、覚えることが多すぎて、実にしんどい。では、どうするか。あらゆる方向から見るのではなく、「1つの方向=ユニヴァーサル」から見ていけば、世界史はシンプルになる。自ら世界史になろうとしている歴史、外へ外へとどんどん出て行く覇権の歴史。そうした「ユニヴァーサル・ヒストリー(一方向の歴史)」を軸に歴史の流れを見ていけば、すっきりわかる。アレクサンドロスから冷戦の終結まで、三世界の約2500年の歴史ストーリーを描き出す。教科書では学べない「ユニヴァーサル・ヒストリー」という新視点。直木賞作家で西洋歴史小説の第一人者が満を持して放つ、はじめての世界史講義。世界史を貫く“1つの流れ”が見えてくる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HMax
24
「~なんですね。」が多すぎなんですね!今までの世界史は完全に西の目で学んでいたんですね。ギリシアの有名なサラミス海戦と300、いずれもペルシアを何とか追い払った戦いだったんですね。フランスの波に乗ったるカールマルテル(732年)、パリと目と鼻の先のトゥール・ポワティエでの戦いもイスラムからの防衛線ですね。イスラム・ペルシアは偉大なユニバースだったのに矮小化されて教えられていたんですね。文章は鼻につきますが、小ネタ満載。クレオパトラが実はギリシア系でカエサル・アントニウスとギリシア語で話していた。2019/04/13
hk
23
「アメリカ大陸侵略はレコンキスタ後の失業対策」「ルネッサンスの本質はアジアへのキャッチアップ(表立って先進国アジアへの追随と書くのは癪である。そこで過去の欧州にギリシャやローマという優れた文明があり、そこに回帰しようとしたら楽々とアジアを凌駕できたという物語化=ルネッサンス)」「明治維新の段階において日本はシナ、インド、ロシア、オーストリア、フランスに次ぐ第六位の人口大国■これが植民地化されなかった大きなファクター」「古代ローマは滅んでいない~後世の歴史家による印象操作~」などなど各論では読みどころあり。2019/01/11
鯖
21
王妃の離婚の佐藤さんなので、世界史というよりユーラシアの授業。西ローマ、東欧、イスラムの3つの異なる文明から見たユニヴァーサル史。モンゴルは確固たる文明をもっていなかったから、モンゴルが大帝国を築きすぐに崩壊した後の土地はすべてイスラム国家となったとか、イスラムは商人だから砂漠を越え、アフリカにもイスラム国家ができたとか割とイスラムage。そのイスラムを排除しレコンキスタを成し遂げたスペインが大航海時代として海に向かったのは敵がなくなったそのはけ口というのはアーってなった。要は征韓論や秀吉の朝鮮出兵かあ。2024/07/26
イトノコ
16
西洋歴史小説の第一人者、佐藤賢一氏による世界史。世界へ拡大する意思、帝国のシステム、一神教の3つの要素を備えた文化圏をユニヴァースと定義し、西、東、イスラムの3つのユニヴァースの関わりから世界史を読み解く。やや強引、粗い箇所はあるが、この骨格に細かい事件を当てはめれば理解が進みそう。「西世界のキリスト教、東世界のギリシア正教がそれぞれ民主主義・資本主義と共産主義に入れ替わった」「建国後のアメリカ、維新後の日本は西世界に自然に加わった」「戦後の中国は世界へ拡大する意思を得て東世界に加わった」のくだりは納得。2018/11/02
チャッピー
14
西世界(西欧)・東世界(東欧)・イスラム世界の3つに括って古代から現代までの歴史が 1冊にまとまっている。教科書的なものだとひとつの地域の歴史の筋道は追えても他の歴史との繋がりがわかりにくいと思う。ここでは、3つの世界がそれぞれ発展しつつ他地域とどう関わっていたのかがすごくわかりやすい。ギリシャ・ローマの覚えにくい人名も、時に映画『300』『グラディエーター』など引き合いに出しているのでイメージしやすく、イスラム世界も成り立ちから詳しいので現代の紛争にどう繋がるのか分かりやすかった。2018/11/15
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