内容説明
ヴェネツィア、アマルフィ、ピサ、ジェノヴァの四大海洋都市のほか、南イタリアのガッリーポリ、モノーポリなど、海に開いた都市の繁栄の歴史を探る。中世の地中海世界では、民族相互の争いと交流のなかで、ローマ、ビザンツはもちろん、イスラーム世界からもさまざまな先進文化がヨーロッパへ流れ込んだ。実際に都市を歩き、建物、街路、広場、港の風景を観察しながら、海洋都市の生活空間の歴史と現在を読み解いていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんがく
14
交易で栄え、ルネサンスの主役となった中世イタリア都市、特にヴェネツィア、ジェノヴァ、ピサ、アマルフィの4大海洋都市に着目。ピサが港町であること、アマルフィの存在は知らなかったので、それぞれの都市の特性がわかり面白い。歴史の本でありながら、著者のフィールドワークによって現在の都市や建築の様子がよくわかるのが良い。ビザンツ、イスラームという東方世界との交流の影響が見られる。是非船旅で訪れてみたいと思った。2019/11/01
中島直人
5
(図書館)きれいな町並みの写真を見ながら、その歴史を、その姿を読むのは本当に楽しい。なんとか行きたくなってしまう、見に行きたくなってしまう。わくわくしながら読めた。2022/09/14
ふぁきべ
5
ヴェネツィア、アマルフィ、ピサ、そしてジェノヴァという中世イタリアの四大海洋都市国家について描く。年にフォーカスが当たっているので、その町の建物の背景となる歴史であったり、紀行分的なところがあり、各都市を訪ねるときに手に持っていると面白いかもしれない。2018/11/29
yutanpo
3
歴史書というよりかは建築史とか都市史?みたいな感じ。これはこれで面白いけど、思ってたんと違う、ってなる。2021/10/12
タケゾウ
2
古来の国家において海は大量輸送において欠かせない手段であると同時に驚異でもあった。 歴史上の人々が海と如何様にして付き合ってきたか。 自動車、航空機といった大量輸送の技術が進歩するにつれて海路の重要性は相対的に低下している。 それでも、古来から存在する海洋国家の精神は人々に依然として根付いているのは灌漑深い。2025/05/22