内容説明
2018年秋から2019年にかけて、日本史上最大規模のフェルメール展が東京と大阪で開催される。代表作「牛乳を注ぐ女」を筆頭に初来日の作品もあり、大きなフェルメール・ブームとなりそうだ。
オランダのデルフトという小さな街に生まれ、当初はまったく注目されていなかった寡作な画家が、なぜこのように人気を集めるのか。その魅力はどこにあるのか。日本におけるフェルメール展の企画プロデューサーであり、ノンフィクション作家でもある著者が、その謎に迫る。
本書では、フェルメールの評価の変遷を全作品の解説と共に紹介し、作品を動かす「フェルメール・マン」と呼ばれる15人の男たちのシンジケートの存在を初めて公開する。世界的に知られた美術館の花形学芸員たちが虚々実々の交渉を繰り広げ、ある条件が揃ったときにだけ、フェルメールは旅に出る……。読めば、展覧会を観る目が180度変わる画期的なドキュメント。全作品をカラー写真で掲載。全点踏破をめざす人に、保存版ルートガイド付き。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hiro
89
題名からは「青いのターバンの少女」で有名なフェルメールの謎だらけの生涯を作品を通じ、解き明かした本だと勘違いしそうだ。実際はフェルメール企画展プロデューサが日本でフェルメール展を開催するまでの裏側を含めて書かれた本だった。世界中で人気でありながら作品が少ないフェルメールの作品展を行うために、二人のボスがいるシンジケートの一員として、各地の美術館と交渉する舞台裏は、小説では描けないような複雑な人間関係があった。企画展に行ったが、もしこの本を先に読んでいれば、フェルメールに会えたことにもっと感謝したと思う。 2020/08/12
rico
78
「フェルメール・シンジケート」・・・!?深く濃い美術の世界、ましてやあのフェルメール、確認された作品37(諸説あり)、その人気と希少性を思えば、そういう集団が仕切っているというのも納得。「最後の真実」というタイトルは、自分ほどフェルメールを理解しその魅力を広く伝えるために奔走してきた者はいない、という著者の矜持なのでしょう。実際、海外にはほとんど行ったことのない私が多くの作品を直に見る機会に恵まれたのは、こういう方々のお力あってこそ。ただただ感謝、しつつ、そろそろ次を・・・と期待。ずーずーしいですね(笑)2025/01/15
佐島楓
70
ますますフェルメール展に行きたくなって情報収集したのだが、待つうえに混雑を覚悟せねばならないとのこと。うむむ、海外の所蔵館に行ったほうが断然空いていてゆっくり鑑賞できるのだけど、時間とお金が必要というジレンマも……。こんなことになるのなら、もっとしっかりリサーチしてからヨーロッパに行くんだった。若い頃って愚かだったなぁ……。2018/10/19
TATA
46
読友さんから。日本でも高い人気を誇るフェルメール。寡作の画家であるが、彼の作品を日本に持ち込むことの難しさを生々しく描いた作品。まあ、欧州のコミュニティというのは少なからずこういった内密性があるのだろうが、ある種日本でも同じようなことはあるわけで。外国人との交渉術という点ではなるほど面白く読めました。先日ハーグに行った際に美術館に寄ればよかった。この状況では次にいつ行けることやら‥。2020/04/13
らび
44
やっと明日のチケットが取れたのでフェルメール展行ってきます♡その前に予習と兼ねて読了。如何にフェルメールの旅が難しく、「機は熟す」じゃないけどそのタイミングを掴むことが大変なのか、そして多くの壁を乗り越えてやってきた作品たちを当たり前のように思ってはいけないのだな~。幸せを感謝しよう。人となりは謎ですが作品の辿った歴史も感じながらじっくり味わってきたいと思います。2018/12/17
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