- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
転ぶ高齢者が4倍多い町、要介護認定を受ける確率が5倍も高い町――。健康格差の実態が明らかになるにつれ、それは本人の努力だけでなく環境にも左右されていることが判明。健康格差をなくすための策とは?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シュラフ
18
著者の主張は「0次予防」。1次予防(健康増進)・2次予防(早期発見・早期治療)・3次予防(再発・悪化防止)、そして「0次予防」とは、健康のための地域・社会環境の整備のこと。病気の主たる原因は、遺伝子の影響は一部であり、環境・生活習慣が大部分というのが議論の前提。だから病気・介護の予防のため、社会・地域として環境面整備に取組みが必要ということになる。例えば、減塩の問題は、加工食品の塩分量を減らすほうが効率的だという。長く生きねばならぬ時代、医療・介護の世話にならぬための社会の仕組みづくりを訴える著者に同意。2020/09/06
isao_key
8
長年健康格差についての検証や改善に取り組んでいる近藤先生。あとがきに「私の研究の原動力の一つは、日本の社会保障、いや社会の持続可能性への危機感です。(中略)従来の社会保障は、病気で仕事を失うという事故が起きてから、貧困に陥るのを防ごうという「事故防貧」の考え方でした。(中略)社会が超高齢化人口減少社会へと大きく変わるとき、いままでになかった「新しい社会保障」が必要です。「新しい社会保障」の中心は、自己が起きてから対応するのではなく、潜在的なパワーを引き出せるようにする「0予防」です」。例やデータも豊富。2019/01/06
西澤 隆
6
工場「カイゼン」ではよく言われることだけれど「心がけ」で改善されることはほとんどなく、無意識にそうなるように手順や仕組みを変えなければ全体は変化しない。なぜ今そうなっているのか統計的手法で分析し、理由を突き止めて、そこに至る仕組みの変え方を提言する。社会的役割の有無、個食かどうか、加工済み食品を食べる量、ひととの接点の多寡…。いろんな面で「この集団とこの集団はどうちがうのか」を調べ、よりよく老いている人たちの共通項を見つけ出してそこに近づくための「仕組み」を考える。地道だけれど明快な仕事、頭が下がります。2020/03/16
げんざえもん
1
「社会的格差(所得・学歴)が健康の格差を生む」という不都合な真実について、予防医学の第一人者が、自身が発起人となった大規模疫学調査「日本老年学的評価研究」の成果を基に解説、格差是正の実践例も紹介されています。医学知識ゼロでもサクサク読める反面、「エピソードのパッチワーク」みたいで、何でそうなるのかよく分からないことも…。最終章にはJAGES研究成果へのアクセス方法も掲載されているので、興味を持った項目は自分で確認することが出来ます。2025/08/04
Tatsuo Mizouchi
1
☆☆☆ わかりやすいけど結構手抜き?(笑)2018/11/29