内容説明
1942年、イギリスの特別作戦執行部の工作員であるわたし、マギー・ホープは亡き友になりすまし、ドイツ占領下のパリに潜入していた。異父妹のエリーゼをイギリスへ連れ帰るため。さらには、戦局の行方を左右する重大な情報を持っているはずの工作員を救うため。滞在先の〈ホテル・リッツ〉で高名なデザイナーのココ・シャネルと知り合ったわたしは、一瞬たりとも気を抜けない日々の連続を過ごしていた。そんな折、イギリスの工作員ネットワークに亀裂が生じる。裏切り者がいるのか? ニューヨーク・タイムズ・ベストセラーの大人気シリーズ!/解説=上条ひろみ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くみ
25
図書館の新着情報より。舞台は第二次世界大戦下、ドイツ軍に占領されたパリ。そこへイギリスのスパイ、マギーが潜入。実在の人物も多数登場、人物や情景描写が丁寧で、気づいたら作品の世界にどっぷり浸っていました。裏切り者は誰だ?は何となく予測がつくものの、それを凌ぐ展開の続きが気になって気になって止まらなくなった。丹念に調べて書かれた重量感があって読み応え充分!当時のイギリスの三重スパイ戦略は未だに闇の中のようですがそれをうまくフィクションに取り入れていると思います。シリーズ7作目みたいだけど初めから読んでみたい!2019/01/26
宇宙猫
22
★★★★★ 本格的なスパイものだなと思ったら、実際のスパイ組織の話が下敷きになってたみたい。美味しいところは全部マギーってのは確実に創作だろうけど。出会う男性みんなにときめいちゃうのに少し呆れる。2018/12/10
かもめ通信
19
米国育ちの英国人マーガレット・ホープ(=マギー)が、チャーチルの元でスパイとして活躍するシリーズの第7弾。見かけによらず、第二次大戦当時の実在した人物や史実をふんだんに盛り込むだけでなく、戦争の悲惨さはもちろん様々な社会問題を大きく取り上げるかなり重さのあるフィクションだ。相変わらず無鉄砲なマギーだが、ダテに6作も場数を踏んでいるわけではなくスパイとしての腕や覚悟には安定感も。最終巻でもない限り窮地はあっても主人公の身は安泰のはず。問題は結果的に彼女を苦しめることになる周囲の面々の行く末なのだが…!! 2018/12/07
きょん
18
人間性を蹂躙されるのが戦争なんだと今巻を読んでしみじみと哀しくなった。占領下のパリの風景の特権階級の華やかさと寂寞とした街の風景が切ない。そして、マギーこれからどうなっちゃうの!?2018/11/19
ニッキー
12
なかなか、話がノンフィクションみたいになって来た。お嬢様的な可愛らしいスパイ小説から、歴史の隙間を垣間見るような悲しい出来事も増えて来た。 戦況は、ますます佳境に入り、悲しい話が増えていくのだろう。2023/05/15