内容説明
無実の人が罪を自白し,犯行内容を語ってしまう,そしてかつての自白を撤回する.体験したものにしかわからないその過程はどういうものか.足利事件,狭山事件,袴田事件(清水事件),日野町事件を実例に,虚偽自白を見抜き,むしろ,冤罪の温床にもなってきた自白という人証を逆手に取り,無罪を勝ち取る道筋を示す.
目次
目 次
はじめに
第一章 虚偽自白とはどういうものか
1 自白で立ち上がる事件
2 足利事件と虚偽自白を読み解くための理論
第二章 自白への転落──足利・狭山・清水事件
1 わずか一日での転落
2 長期間の取調べの果てに
3 まったく耳をかさない取調べ
第三章 自白内容の展開
1 無実の人の「語れなさ」
2 犯行内容が語れない
3 大量の事実を語れない
4 事後の「事実」から組み立てられた奇妙な自白
5 「ありえない自白」をありうるかのように繕う
6 現場検証で当てた「正解」──日野町事件
7 犯行の「計画」を事後につくる──名張事件
第四章 自白の撤回──自白を弁明するとき
1 自白の維持からその撤回まで
2 かつての自白をどう弁明するか
おわりに 冤罪の深い根を断つために
あとがき



