内容説明
世界に蔓延するポピュリズム.はたしてそれは民主主義の異端なのか? 古代中世の神学史,丸山眞男らの議論を手がかりに,宗教・政治・文化に通底する「異端発生のメカニズム」を解き明かし,混迷する時代の深層に迫る.著者が十年来抱えたテーマがここに結実,「異端好みの日本人」に,現代の「正統」の所在を問いかける――
目次
目 次
序 章 正統の腐蝕──現代世界に共通の問いかけ
1 変質する政党政治
2 反知性主義の行方
第一章 「異端好み」の日本人──丸山眞男を読む
1 「l正統」と「o正統」
2 異なる価値秩序の併存
3 日本的な「片隅異端」
4 未完に終わった正統論
第二章 正典が正統を作るのか
1 宗教学の諸前提
2 書物になる前の聖書
3 正典化の基準
4 異端が正典を作る
5 歴史の審判
第三章 教義が正統を定めるのか
1 ハルナックの困惑
2 正典から教義へ
3 「どこでも、いつでも、誰にでも」
4 根本教義なら正統を定義できるか
5 始源も本質を定義しない
6 「祈りの法」と「信仰の法」
第四章 聖職者たちが正統を担うのか
1 「地の黙した人々」に聞く
2 厳格な性倫理という誤解
3 オリゲネスの後悔
4 高貴なる異端
5 凡俗なる正統
第五章 異端の分類学──発生のメカニズムを追う
1 正統の存在論
2 現代民主主義の酩酊
3 異端発生のメカニズム
4 分派・異端・異教
第六章 異端の熱力学──中世神学を手がかりに
1 社会主義体制との比較
2 ドナティストの潔癖
3 秘跡論から見る正統
4 丸山の誤解
5 改革の熱情
第七章 形なきものに形を与える──正統の輪郭
1 絵の本質は額縁にあり
2 異端排斥文の定式
3 制約による自由
4 「複数可算名詞」としての自由
5 正統の受肉
第八章 退屈な組織と煌めく個人──精神史の伏流
1 個人の経験が判断の基準に
2 自己表現の至高性
3 普遍化する異端
4 個人主義的宗教の煌めき
5 反骨性のアイコン
6 今日もっともありふれた宗教形態
7 個人主義的宗教の特徴
終 章 今日の正統と異端のかたち
1 民主主義とポピュリズム
2 正統性を堪能する人びと
3 信憑性構造としての正統
4 真正の異端を求めて
引用文献/参考文献
あとがき
感想・レビュー
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うえぽん
koji
Nobu A
kan
Hiroh
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