内容説明
被差別部落の誕生から歴史を解説した的確な入門書は意外に少ない。過去の歴史的な先駆文献も検証しながら、もっとも適任の著者がわかりやすくまとめる名著。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shoji
64
部落差別の根源とは何かについて論じている。民俗学、歴史学、人類学、芸能、神話など多岐に渡っており、興味深い。部落差別の根っこの部分は何か。ヤマト王権の時代まで遡るのではなかろうか。ヤマト民族は死をケガレとして忌み、死を取り扱う者をケガレた者と考えた。歴史時代に入り、「死を取り扱う人や集団」や「死肉を食する人や集団」はがケガレた者であり、居住域が部落化された。そこにこの問題の根っこがある。民俗学や歴史学の視点から捉えており、論旨の蓋然性は高いと思われた。2018/04/17
佐島楓
38
学術的価値はあると思う。が、構成に問題があって読みにくいのが残念。2016/05/19
イトノコ
22
「部落史」という分野が明治維新以降どのような変遷を辿ったか。/直接、「部落史」を説明する文章ではない。研究者たちがどのように「部落史」を取り扱って来たかを解説する。どの時代も、時代の煽りを受けてマルクス主義だったり皇国史観だったりを背景としてその差別の原因が説明されてきた。最終的にその原因が語られないのは(著者はマルクス主義にも皇国史観にも否定的)、結局その原因が解明されていないからだろうか?既読の柳瀬勁介「えた非人」では仏教の関与が強調されていたが、著者は体制による経済的理由を主因とするようだが。2022/12/02
ぼちぼちいこか
14
部落史の記録というのはあまり残っていないらしい。ほぼ江戸時代後期からの書物から抜粋している。そして明治から大正、昭和にかけて、マルクス主義を唱え実質の身分開放運動がおこる。日本独特の身分制度をマルクス主義に当てはめることに矛盾があるのだが、そこは目をつむってしまう。この書は入門書というだけに、既刊されている書物の考証などが占めている。私はマルクス主義を読んでいないので細かいところが理解できませんでした。部落問題がどうして同和問題になったのか知りたいと思いました。2020/07/27
fseigojp
7
明治以降の歴史だった 古代から中世、近世は記載なし2025/04/05
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