内容説明
還暦を迎えた私、カメラマンの弟、そして認知症の母。
もう若くはない一家の元に、ある日突然やってきた、傷ついたすずめ。
野鳥であるすずめは飼ってはいけないけれど、ちゃいとの暮らしでわが家は少しずつ活気を取り戻していったのでした。
きっと長くは続かないこの幸せ。
だからこそ大事にしたいのです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ🍀
174
すずめって手のひらが大好きなんですね。人と同じで気まぐれで好奇心があって、見つめ合って喜んで飛び跳ねたりして。ことりって髪の毛が好きなんですね。ひとりになりたいときもあれば、誰かといたいときもあって。落ち着く場所もあればどうしても好きになれない所もあって。飼い鳥ではなく保護鳥。獣医から野生では生きていけないって言われて。小さな生命がここに居てくれて、私たちはなぜか温まって。みんなの支えになってくれて、時の流れを鮮やかにしてくれた。今日の空は青いから、いつか飛び立ってしまうけれど、ずっと幸せでいてほしいな。2023/05/20
たまきら
39
わかりやすい説明、ていねいな描写。動物好きのご家族の日々をうっとり読ませてもらいました。うちは猫飼いの家で鳥についてはあまり詳しくないため、さらに面白かったのかもしれません。ちょっとほろ苦い後書きを読んだ後、きちんとプロフィールを読んであんぐり。那由他の!那由他の漫画家さんだ…!!2023/01/10
でんか
15
コミックエッセイ。佐々木淳子さんといえば、近未来SF的漫画などを拝見してました。すずめを拾って育てるおはなし。たいへん小鳥の扱いに慣れておられて、通り一遍の育て方だけでなくて、うまくいかない時はこうしたらいい的プランBまであってすごい!と思いながら拝読。そしてその風景には、弟さんの姿とお母さんの姿があって、なんとも温かい家庭という感じでした。2018/11/07
Roko
13
すずめの「ちゃいちゃん」がやってきてから家族が少しずついい方へ変わっていったのです。認知症が進んで自分から何かをやろうという気力がなくなってしまったお母さんが、少しずつ家事をできるようになったり。夜型だった弟がちゃいのために朝から起きて、一緒に朝ごはんを食べるようになったり。家族で一緒に過ごす時間が少しずつ増えていったのです。ちゃいちゃんの気ままな行動に振り回されながら、何だか幸せを感じるようになっていった家族。こういう幸せもあるんだなって、ほんわかした気持ちになりました。2019/05/01
しばこ
8
子雀が拾われた先が鳥飼い経験のある、生活サイクルが少しだけ一般とは違う家庭というのが良かったのか、ひとときの温かいスズメと人間たちとの生活が垣間見れたエッセイ漫画だった。2018/09/21