内容説明
「わたしはせいじのおよめさん!」僕こと倉敷誠二が終業式を終えて家に帰ると、家の前で待っていた十歳ぐらいの見ず知らずの少女に、いきなりそう言われてしまった。およめさん宣言のもと、一緒に新婚生活を送ろうとしてくる少女。けれどもちろん、僕は十歳の少女と結婚することにした憶えはない。少女に話を聞くと、どうやら彼女はクラスメイトの御殿山みのりで、昨日突然その姿になってしまったらしく……!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Merino
19
これは神様のいたずら。主人公の家にじゅっさいのおよめさんが押しかけきて、戸惑いながらも唐突に始まる新婚生活。甘くもなく辛くもなく。これは二人がしっかりと結ばれて幸せになるための物語である。幸せになってくれないと嫌だ。そんなお話。2018/10/03
わたー
17
【試し読み】高校の終業式を終えて帰宅した主人公を待っていたのは10歳の押しかけ女房。なし崩し的に始まる同居生活。しかも、彼女の正体は…というちょっぴりSF要素の入った同居モノ。日常描写はほっこりするが、主人公の過去回想という語り口のため、要所要所で陰がちらつくのが気になった。2018/10/01
真白優樹
16
終業式の日の午後、平凡な少年が十歳まで若返った級友の少女に出会い始まる愛のお話。―――合縁奇縁、それでも君と結びたい想いがある。 何も持たず、純粋な心だからこそ伝えられる想いがある。幼い童心と年頃故の恋心。神様の悪戯という不思議が起こす、奇跡のようなこの物語。これは愛の物語。二人が惹かれ合い、お互いの時間を一つにし一緒に歩み出すまでの、どこかしっとりとした、でもほんのり甘くて温かい恋であり愛の物語である。一緒にいたいから全部賭ける、全部分かち合う。どうかこの二人に末永い幸いを。 最高に面白いと断言したい。2018/10/03
nawade
13
★★★☆☆ およめさん宣言のもと、十歳位の少女と同居生活を描いた物語。ロリっ子との生活を描いたほのぼの系かラブコメかと思いきや、少女の正体はクラスメイトの少女で、尚且、悲劇が待っていることが仄めかされている。後半は何故彼女が若返ったのかというところに焦点があたるが、それは物語を完結させるための予定調和であって語るべきところでもない。時には無邪気な十歳位の少女、時には冷静な同級生の表情を見せるみのりのアンバランスさはなかなか魅力的だった。高校生の姿では素直になれない、この姿だからこその体当たりが尊い。2018/10/02
nishiyan
11
両親を亡くし、一人暮らしをする高校二年生倉敷誠二の元に突然、「わたしはせいじのおよめさん!」と名乗る10歳の少女が現れるファンタジー作品。少女の正体は早々に明らかになるのだが、少女と誠二が過ごす穏やかな日々に心は癒され、少女がこのようになった真相には驚かされた。二人が共に過ごす中で芽生えた感情のみならず、古くからの縁もあり、お互いを思うが故の決断をしようとする。そのやりとりには涙してしまった。誠二の決断が二人にとって末永く幸福に満ちたものになることを祈らずにはいられなかった。良作。2018/10/10