ちくま文庫<br> 赤い猫 ──ミステリ短篇傑作選

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ちくま文庫
赤い猫 ──ミステリ短篇傑作選

  • ISBN:9784480435187

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内容説明

「話相手の女性求む」という風変わりな求人に応募した多佳子は、無愛想な老婦人・郁の豪邸で住み込みで働くことになる。ある事件がきっかけで郁との距離が縮まった多佳子は、幼い頃に母が何者かに殺害されたことを郁に打ち明ける(表題作)。車椅子探偵の華麗な推理を描いて日本推理作家協会賞を受賞した表題作ほか、「日本のクリスティー」の珠玉の短篇を堪能できるオリジナル傑作選。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紅はこべ

128
イヤミスとは正反対のミステリ。謎解きと共にキャラも楽しめる。雄太郎悦子兄妹がそれぞれ単独で登場。特に母となった悦子の活躍がよい。「小さい矢」の設定とキャラは、仁木さんならでは。幼い姉妹の活躍はクレイグ・ライスも思わせる。「早春の街に」も良かった。 2019/08/02

ふう

84
先に読んだ若竹七海さんの本に登場していた仁木悦子さん、初めての作家です。1928年生まれで、しかも病床や車いすの生活の中で推理小説を書いていたとのこと。だから、事件が日常生活の延長のように身近なところで起き、そして、解決するのも平凡に見える主婦や家族なのかと考えるのは短絡的でしょうか。ただ、情報を得る方法が今のように発達していない時代なので、聞いた話や見たことだけで推理を組み立てていくおもしろさや、謎解きが終わった段階で良しとして、犯人を罰するのはまた別の話、というしっとりとしたところがいいですね。2018/09/20

75
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2021/07/post-7ea1b2.html 仁木作品の探偵、勢揃いです。三澤が安楽椅子探偵って、ちょっとビックリ!2021/07/27

アマニョッキ

63
お気に入りさんが読まれているのを見て、装画の可愛さに飛びついた一冊。恥ずかしながら仁木悦子さんを存じ上げなかったのですが、江戸川乱歩から「日本のクリスティ」と命名されたとか。短編どれも、ミステリーなのに爽やかというか、活気があるというか、暗さがあまりなくすっきりと読めました。表題作の「赤い猫」すごく面白かった。読んだあとにもう一度あの可愛い表紙を見ると、なんとも切ない気持ちになります。自分では絶対に探せなかった作品だと思うので、改めて読メとマイスターに感謝。ありがとうございます。2018/08/19

佐島楓

61
ストーリーテリングの巧みさと、からっとした邪悪さとでも呼べる軽妙さは、時代を経ても色あせていない。軽く読めて、ノスタルジックな気持ちになれる。弱者への眼差しはあくまで優しい。2018/05/22

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