内容説明
われわれは言語が自分の考え方や現実の情景などを忠実に描写・表現するものだと考えがちである。著者はそういった素朴な言語観を否定し、〈まことしやか〉に対する〈わざとらしさ〉のレトリックこそ言述(デイスクール)の本質的な姿だと説く。夏目漱石、小林秀雄、井上ひさし、筒井康隆、ロラン・バルトらの散文表現を素材に、著者独自の言語理論が自在に展開する佐藤レトリック学の〈実践篇〉の位置を占める会心作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
はりねずみ
9
なぜか読書メーターの写真が違う…「軽い、薄い、わざと」という言葉よりも「重い、厚い、まこと」という言葉がもてはやされる。冗談や言葉それ自身のおかしみよりも意味や内容が重視されすぎている。文学の筋や内容、深刻さが言葉のリズムや冗談より大切だとは言えない。わざとらしさが無駄を省いた文章よりもまことしやかに真実を語りうる時もある。無駄は贅沢。贅肉を削ぎ落とした文章に慣れすぎてしまった人に言語の楽しさを再び教えてくれる良書。意味のない言葉の応酬が活き活きしていて楽しい。筆者の絶賛する井上ひさしを読んでみよう!2014/03/14
きつね
3
漱石、バルトの章がよかった。漱石の文体が『文学論』のもっともらしさと『文学評論』の自由なわざとらしさの間にあるという指摘、『猫』の言葉遊びは『明暗』の小林(シェイクスピア=ドストエフスキー的ですよね)にも見られるとの指摘も良い。「言語という奇怪な擬似自然に心をゆだねるには、いつもその擬似性を逆手にとる手管をもってするほかはない、という事実を徹底的にどこかで承知し…言語に対する醒めた〈わざとらしい〉つきあいかたが、結局は反語的に〈まこと〉を造形する方法である、それを一貫して実行しつづけた…作家が漱石」2012/11/08
紺色灯油
2
「文章につき合うとは、この書物のようなかなりの長さにわたって、話に耳を傾けるということである。人の口調やくせが鼻についてきて、うんざりするくらいに、あるいは、その口ぶりに、奇妙に魅力を感じはじめるほどに、読みつづけるということだ」好きな作家に関する語りだったらめちゃめちゃ面白かったんだろうけど、不勉強ながら出てくる本をひとつも読んだことがない(!)ので、正直あんまり入ってこなかった……!2025/09/06
ロク=デモス・ナオ
0
漱石・小林秀雄・井上ひさし・筒井康隆らの文章をレトリックに注目して分析している。退屈なところもあったけど、おおむね楽しく読んだ。2012/08/29
DT
0
重さの無い言葉の連結と、はにかみながらの皮肉。古本屋で2500円出したもとはとれた。2010/10/30
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