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内容説明
ジャイロとはフレームの中で高速回転する重量物を持つ装置(地球独楽を思い浮かべてほしい)。モノレールとはレール1本の鉄道。ジャイロモノレールは「力を受けたときに回転方向に90度ずれた位置で変位する」というジャイロ効果を姿勢制御に利用した鉄道車両で、100年以上まえに開発・実用化されたが、その技術は長く忘れ去られ再現不可能とされていた。著者は実験と試作機の製作を繰り返し、ついにこれを完成させる。工学の考古学というべき手順で幻の機械技術を完全復元した、世界初のジャイロモノレールの概説書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
jam
71
ジャイロモノレールは「力を受けた時に回転方向に90度ずれた位置で変位する」というジャイロ効果を姿勢制御に利用した鉄道車両のこと。工学部出身の著者の作品は、さもありなんと思わせるものが多い。本著は、1本レールの上を、無支持のジャイロモノレールがなぜ倒れずに走行できるのかを易しく解説する。世界の成り立ちは均衡だと思っているが、それは極左や極右、混沌や昏迷を内包した宇宙のようなもの。作者の中に工学が息づいているように、私の中では医学が息づく。人体のミクロを追求すれば、そこにマクロがある。宇宙はそこかしこにある。2021/05/14
Y2K☮
28
失われた技術の再現に挑んだ個人研究の軌跡。不安定であればあるほど安定するジャイロ。傾いたら戻すのではなく更に倒そうと加勢する事で姿勢が戻る。この考え方を日常や創作に応用できないか。たとえばやたらに愚痴る人を諭さずにそうだ君が正しいと云い続けたら、逆に恥じて己を省みてくれるかなとか。加えられた力から90度ずれた位置で変異するのも、まるで強風をしなやかに受け流す柳の様だ。せっかちな性分なので細かい検証はふーんとイメージして流し読み。左折時に倒れてしまう問題を解決したツインジャイロの発想はこれぞコロンブスの卵。2018/12/04
みなみ
22
ジャイロ効果を姿勢制御に利用した鉄道車両の「ジャイロモノレール」について熱く語られている新書。仕組み自体を正確に理解できたかは自信がないが、実験と試作を繰り返す粘り強さは見習いたいと思うし、何かを考えて、理解し、展開することの大切さを感じる。「既に存在するものではなく、自分で作り出すもの、それが生き甲斐、やり甲斐であり、つまり「楽しさ」というものなのだ」という言葉が印象的だった。2023/06/02
Tenouji
22
100年前には出来たが、今は失われた技術、というのが気になったけど、振動せず安定して回転する独楽のことだったのね。理論的には難しいものではないけれど、現実的には作ることが難しいもの。代替品があると、もうそれらは作られることは無くなる。2018/11/07
zoe
21
跨座式でも懸垂式でもない第三のモノレール。ジャイロスコープを回転させると姿勢を維持する。このフレームの名前はジンバル。真空の中で回せば、エネルギーを失いにくい。接地面を点ではなく、ちょっと幅を持たせる。フリージャイロなら一輪まで。力をくわえると90度ずれた方向へ傾く。ジャイロ一つでは制御困難。反対向きのツインジャイロでバランスを取る。精巧な部品を作成し、組み立てる。試作12号機まで紹介。2018/12/21
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