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内容説明
不安やストレスに勝つ“魔法の力”があった。
なぜこんなにつらいのか――。現代は、多くの人々が日常的にストレスを抱え、生きにくさを感じ、先行きに不安を抱いている。
いわゆる「ライフイベント・ストレス表」では、人生の中で経験するさまざまな出来事のストレスが数値によって示されている。
「配偶者の死 100」
「親族の死 63」
「個人のけがや病気 53」
「解雇・失業 47」
「借金 31」
こうした日々のストレスや不安、悩みを乗り越える“魔法の力”として、近年、注目されているのが「首尾一貫感覚（ＳＯＣ）」だ。
医療社会学者のＡ・アントノフスキー博士が提唱したこの能力は、もともとユダヤ人強制収容所での過酷な収容体験を乗り越えた女性たちに共通していた、次の「3つの感覚」から構成される。
◆把握可能感＝「だいたいわかった」
◆処理可能感＝「なんとかなる」
◆有意味感＝「すべてに意味がある」
これらの感覚は後天的に高められるものであり、何か問題に直面した場合、その原因を「3つの感覚」から分析できるという。
理不尽な世の中を生きる“究極のヒント”を、文理シナジー学会学術奨励賞を受賞した気鋭の研究者が平易な言葉で解説する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Cambel
24
首尾一貫感覚とは以下の3つの感覚。「把握可能感＝想定の範囲」「処理可能感＝なんとかなる」「有意味感＝全ての出来事には意味がある」。この本の肝は以上！！この感覚は後天的に得られるもので、鍛えるには認知行動療法をすればいい。承認欲求の話を思い出した。テレビで某眼鏡チェーンがSNSのfollowerが1万人以上いるとインフルエンサーとして5万円の報酬が付くとやっていた。これ人事部の怠慢じゃないかな？大事な評価を他者の意見に託すってどうよ？社員が幸せに働けるように自己承認力を磨ける仕組みが優先ではないか。2019/04/28
みねたか@
23
本書はA・アントノフスキーによるストレス対処と健康保持のメカニズムに関する理論を，カウンセラーである著者の実践経験を踏まえ解説したもの。以前，アントノフスキーの著書を読んだ際の理解不足を補うため手にしたが，自分の理解と著書の一般化が不協和音を起こしやや混乱。専門書と解説書の読み方という点で考えさせられた。内容について，ストレスフルな環境の事例としての議員秘書のエピソードは非常に生々しく面白かった。カギになるのは，どんな出来事も自分の人生にとって意味があると捉えられる「有意味感」と理解。2020/05/29
takam
5
自分の認識の仕方を変えて、ストレスを軽減する方法の説明。あっという間に読み終わったけど、内容をいまいち負いきれていない。結局、とらえ方を変えて自分のストレスにしないように問題をコントロールするという話だった。時間ができたらまた読む。2019/02/13
ちさと
2
首尾一貫感覚は後天的に高められる、困難をその３つで説明できる①把握可能感②処理可能感③有意見感・対処できないと脳が判断するとストレス・良い認知に変えれば感情と行動が変わる・対人関係の根本は自分との向き合い方、辛い感情にいかに向き合うか・逆境の先の景色を信じてる・見通しのつかない不安→把握不可能感→精神崩壊、追憶は現実逃避、過酷な外的条件が人間の内的成長を促す・苦悩にも意味・誰にも負けない分野があれば次に繋がる・自動思考の癖を認知・幸せ日記で自分をコントロールする・ストレスを前向きの力に変える2023/11/26
ちぃ
2
汎抵抗資源は妥当だが、SOC は時代の多様さを軽視している。もともとSOCの測定データはある時点までしか遡れない。したがって文献学や音楽史などから医療や心理データを取り出すべきかもしれない。2021/08/02
