内容説明
1000人の孤児を救うため、ひとりの男が立ち上がった。
戦後。
廃墟と化した東京を中心に、全国で十二万三千人の「戦争孤児」が生まれた。自ら飯を調達して食べることができず、寝泊りする場所すら持たない子供が、唐突に十二万人以上現れたのだ。
国から見捨てられた孤児たちの命と未来を守るため、一人の男が立ち上がる。当時、彼は十七歳の少年先生。
職も我欲もなげうって、半世紀に及ぶ茨の道を歩いた――。
「プロジェクトX」元プロデューサーの著者が、実在の人物をモデルに描く感動の物語。
「この国の歴史には記されなかった 切なく雄々しい愛の物語である」(今井彰)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しいたけ
120
泣ける本になかなか巡り会えないと嘆いていた。そういうことか。この本と出会うまで、安易な本で妥協して泣く必要はないとの思し召しだったのか。物語の主人公門馬幸太郎は、長谷場夏雄として実在する。戦後わずか17歳の少年が、千人の孤児たちの未来のために我が身を捧げた。子どもらにとめどなくそそぐ光は、私たちが気軽に使う「愛」という言葉では表せないほど神々しい。結末に明かされる門馬が背負う十字架。孤児らが喉から血まみれの手が出るほど欲しかった赦し愛してくれる存在。家族の温もり。求めていたのは門馬も同様だった。泣き通し。2019/03/24
あやの
54
また一人、この国の子どもの福祉を支えてきた(創った)人物を知ることができた。小説ではあるが、かなり事実に基づいているのではないかと推測している。戦争孤児の救済に始まり、棄児となってしまった子どもを長年にわたり救ってきた門馬幸太郎の生涯が描かれる。そして、救われた子ども達の生きざまも……どの人生も余りに苦しく、孤独で、よくみんな生き抜いて来たなぁと思う。どん底に陥った時に、信頼できる人に出会えるかどうかが分かれ道になってしまうのか。どんな子供にも「光の人」が存在する国であってほしい。2022/05/21
ぶんこ
52
戦災孤児というと澤田美喜さんしか知りませんでした。国の政策から取り残された15歳以上の孤児の実情に一念発起して「命の家」を立ち上げた門馬幸太郎さん。「来るものは拒まず」の精神で受け入れ、「十分に甘えさせながら優しく強い心を育てる」と、お腹いっぱい食べさせ、良いところをいっぱい褒めて、しっかりと抱きしめる。人間としての扱いを受けてこなかった多くの孤児たちを「尊敬」していた幸太郎さん。居場所と誇りに思える仕事と仲間たちを一緒に作り上げた長い日々。何よりも上から目線ではなく、愛しい子供のパパとしての毎日に感動。2020/03/30
吾亦紅
45
戦災孤児のために、自分のすべてを捧げた人。国が責任を放棄した15歳以上の孤児たちに、ごはんを食べさせ寝る場所を与え、仕事を与えるために奔走し、そして何よりも愛情を惜しみなく与え続けた。大きな溌剌とした声と破顔する笑顔で子どもたちを元気づけ、勇気づけ、子どもたちは生きる力と喜びを得た。この主人公門馬幸太郎は実在の人物がモデルとのこと。圧倒されました。もっともっとたくさんの人に、この本を手にしてもらいたいと思います。「この国は優しくない」2020/01/27
ばんだねいっぺい
37
この国にこんな人がいたんだと胸のすく思いがした。並大抵の決意では成し遂げられぬ万人が迂回する茨の道を、大勢の子どもたちを尊敬の眼差しで見つめ、心を通わせながら、歩ききった人の姿の美しさ。この本は、この登録数じゃ足りない。もっと多くの人に読まれるべきと思った。2019/09/07
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