内容説明
日本最大の広告代理店「連広」の常務に就任した城田毅は、その存在感を示すべく、さまざまな事業の指揮をとる。各業界のトップ企業の広告独占、広告第二位「弘朋社」への圧力など、手段を選ばず強行した。一方、過労死した連広社員の妻だった真美は、「思いやり雇用」制度によって連広に入社し、城田の秘書となった。真美は「この会社に夫は殺されたのだ」と憎悪の心を持って、夫の死の真相解明に乗り出す。しかし城田の間近で働くうち、やがて彼の魅力にも惹かれていく。城田は「帝王」として君臨し、やがて社長に就任するが、後継者として育てた腹心の裏切りに直面する……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
るっぴ
28
鷹匠裕作品初読み。まず、広告代理店連広の労働時間が異常。私の体力的限界が120時間位だが、連広は、組合との合意が180時間。1日8時間労働の月20日で、定時間労働月160時間で、残業時間の方が多いのは異常だろう。そりゃ、過労死や社内での自殺は出るよね。その対策もしないのは無いよね。いつきゅうそくを取るって思う。要領の悪い奴から死んでいくよね。私も要領が悪いから、勤怠を正しくつけたら,月の残業時間150時間は確実に超えているはず。連広の社員と私は、同じような感じ。やっぱり、心が折れてる。2018/11/18
R
27
昭和から平成にかけての電通の仕事、その、時の社長の仕事を描いた小説でした。仮名の会社がたくさん出てきて、ちょっと混乱してしまうのが困ったところながら、広告代理店の仕事というものがよくわかる内容でした。政商めいたやりとりもあったり、泥臭い仕事、過酷な労働量ながら、割とぬるく書いているのではという印象を受ける。日本で企画された、起こされたイベントの数々の裏で、どのようなことがあったか、なんとなし察するところがリアルに描かれていて面白かった。どこまで本当かしら。2019/03/13
kuma
24
時代設定が違うので、アレだが、 18歳の時に読んだ大下英治『小説電通』の方が驚きでした。2018/11/07
うぃっくす
9
電通だった。激務すぎてやばい。大学生だった頃は電通とか三菱商事とかすてきだなーどんなエリートが揃ってるんだろうと思ってたけどサラリーマン十何年もやってる今スタミナモンスターの集まりなんだろうなと思ってます…官僚も。虚実織り交ぜつつと思うけど激動の昭和から平成史を辿れて面白かった。2024/01/23
tetsubun1000mg
7
城田常務の下で働く社員の葬儀から始まり、その奥さんが常務秘書として勤務するようになったことから物語は始まり、 途中からは城田常務から、専務、社長となって広告会社連広を拡大しながらも、最後は会社の飛躍の足を引っ張るような存在になっていくストーリーです。 「電通」の成田豊社長を題材として、秘書としてそばで観ながら、人柄や仕事の進めかたを見せていく書き方でしたが、 今まで知らなかった電通という会社、広告業界、のちに大問題となる過酷な勤務実態などすべてを克明に書き込んであり 、壮大なテレビドラマを見るようでした。2018/11/09
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