内容説明
京都で開かれた引っ越し飲み会。そこに集まり、出会いすれ違う、男女のせつない一夜。芥川賞作家の名作・増補新版。行定勲監督で映画化された本篇に、映画から生まれた番外篇を加えた魅惑の一冊!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
146
『わたしはいくつかの車のテイルランプを目で追いながら、今日あったことを思い返していた』。誰にでもあるそんな瞬間の一つひとつを淡々と綴っていくこの作品。そこには、行定勲監督が映画化した5つの短編を軸に、二つの短編が併録、大学生たちのたわいもない日常の一コマが記されていました。関西弁の味わいが物語の雰囲気感を上手く形作っていくこの作品。どこまでも淡々とした内容に、他人の日常をぼんやり見ているような感覚にもなるこの作品。映像が目に浮かぶような柴崎友香さんの巧みな筆致に、行定監督の映画も見てみたくなる作品でした。2024/09/02
hiro
98
『その街の今は』『次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?』を続けて読んだが、初めて読んだ柴崎作品の『きょうのできごと』に増補新版が出ていることを知って、再読してみた。関西人だから関西弁の小説を違和感なく読めることも大きいと思うが、『その街』『次の町』にも共通する、大きなことが起こるわけでもない日常を切り取って描く柴崎さんの作品は、再読でも初読のときと変わらず心地よく読める。この心地よさは吉田修一さんの『横道世之介』を読んだときと似ているように感じた。次は映画化された『寝ても覚めても』を読もうと思う。2019/04/17
かみぶくろ
76
なんにも起こらない、いつもの1日。なのにそれが奇跡みたいなことに思える。2018/10/30
hiro
56
先日読んだ柴崎さんの『あらゆることは今起こる』にこの『きょうのできごと』がでていた。なんでもない一日を描いたこの作品が好きで二度読んでいるがまた無性に読みたくなり、今度は電子書籍を購入して五年振りに読んだ。やはり忘れているところも多かったが、普段ミステリを多く読んでいるためか、吉田修一さんのなんでもない一日みたいな主人公の横道世之介シリーズや、なんでもない一日を描いたこのような作品が心にしみる。ここに出てきた出町柳駅へ行って糺の森で開かれている古書市で『…十年後』を探して、彼・彼女らに会いに行こうと思う。2024/08/11
里愛乍
56
なんて事のない日常を切り取ったかのような、日々を生きる若者たちの一日のできごと。聞き触りのよい流暢な関西弁と、会話から伺える人間関係から、読んでいて自分もそこに参加してるような気持ちで読んでました。なんとなく気になる二人組はちよちゃんとかわちくんかな。なんか拙さも含めて可愛い。去年の朗読劇で見た演技の凄さのせいか、完全にこのふたりを堀江瞬さんの声で読んでました…もちろんひとり二役で⭐︎2023/12/25
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