腸と脳―体内の会話はいかにあなたの気分や選択や健康を左右するか

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腸と脳―体内の会話はいかにあなたの気分や選択や健康を左右するか

  • 著者名:メイヤー,エムラン【著】/高橋洋【訳】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 紀伊國屋書店(2018/09発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 600pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784314011570

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内容説明

悩みで胃が痛い
大事なプレゼンの前にトイレに行きたくなる
腑に落ちない
──誰しもが身に覚えのあるこれらの感覚、ここには、体内で休まず交されている「見えない会話」が関わっていた。

ヒトゲノム計画からヒトマイクロバイオーム計画に移行した現代、 生命科学のトレンドとして注目を集めているのは「腸」。

腸管神経系(ENS)は「第二の脳」とも呼ばれ、5000万~1億もの神経細胞から構成されており、このENSと脳が常時やり取りしている厖大な情報が、心身の健康維持にきわめて重要な役割を果たしている。

腸内マイクロバイオームの異変は、慢性疼痛、過敏性腸症候群(IBS)、うつ病、不安障害、自閉症スペクトラム障害や、パーキンソン病などの神経変性疾患に結びつく可能性がある。

脳-腸-腸内細菌の情報ネットワークの緊密さと重要性、諸疾患と腸内細菌の関係、情動と内臓感覚、健康な身体を維持するために実践したい食習慣などについて、脳と腸のつながりの研究における第一人者が、わかりやすく解説する。

目次

第1部 身体というスーパーコンピューター
第1章 リアルな心身の結びつき
第2章 心と腸のコミュニケーション
第3章 脳に話しかける腸
第4章 微生物の言語

第2部 直感と内臓感覚
第5章 不健康な記憶
第6章 情動の新たな理解
第7章 直感的な判断

第3部 脳腸相関の健康のために
第8章 食の役割
第9章 猛威を振るうアメリカ的日常食
第10章 健康を取り戻すために

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

booklight

47
ワインを買う時、我々は何で判断するか?情報か、実際に感じた味や香りか、ワインにまつわる良い記憶か。良い記憶は、かつて体験した内臓感覚も含まれる。それらが意識に上がらず感覚だけだと「直観」や「気分」になる。内臓は、人の健康や気分に影響を与える。内臓は腸内細菌と一体。直観・気分が過去の記憶に基づくなら、経験と腸内細菌は、直観・気分を左右する重要な要素となる。脳内モジュールのことも考えれば、気分や直観は現実を反映しているというより、脳のクセと経験と腸内細菌による部分が多い。そう考えると、気分から解放される、か。2021/01/17

やいっち

41
今、腸(体に関わる細菌)のみならず、AIや宇宙観も含め、大変貌を遂げつつあることは、本ブログでもメモってきた。「腸や腸内微生物は、身体はもちろん心の影響にさえ、非常に大きな影響を及ぼすことがわかってきた」のだ。  例えば、「人間自身が持つ遺伝子の数は、およそ二万二〇〇〇だが、この数は人体の内部や表面に存在する遺伝子の総数の一パーセント相当にすぎず、残りの九九パーセントはマイクロバイオータが保有する」。2019/01/04

HMax

34
心と腸のコミュニケーション、これまで何となく感じていたことの多くが説明され、腑に落ちた。著者が治療した経験に基づく実例が豊富で難しい内容も非常に分かりやすく、やっぱり一汁三菜、肉少な目、皆で楽しい食事を心がけます。驚くような事実が多く読むのに時間がかかりました。ストレス下にある母親から生まれた子供はストレスに対応した脳にプログラムされエピジェネティクスでその子供にまで遺伝する。更に腸内細菌もそれに合わせて構成され、腸から脳へストレスシグナルを発信、悪循環が繰り返される。2020/11/07

アキ

30
西洋医学は臓器別である。科学が分類を推し進めた。人体は1つの宇宙である。消化器系と神経系の組織に「脳腸相関」という概念が提唱され、5000万以上の神経細胞をもつ腸は「第2の脳」と呼ばれる。腸内のマイクロバイオームには100兆を超える微生物が存在し「人体は微生物の乗り物にすぎないのか?」と哲学的な問いに至る。人間はヒトの構成要素と微生物の構成要素から成る超個体であり、「脳―腸―マイクバイオーム」相関の崩れが病気を生む。腸脳相関の健康を保つためには、食生活を見直すべき。古来からの日本の発酵食品のよさを感じる。2018/12/10

haruka

27
腸脳相関の本。思っていた以上に腸はストレスに敏感で、過去を引きずるんだな。 妊娠時のストレスや帝王切開はよくない。幼少期の浣腸はよくない。そんなことがわりと踏みこんで書かれている。虐待の影響は、成人後もお腹にしっかり残りつづけるという悲しい話も。 腸内環境の異常は、うつ病や不安障害、自閉スペクトラム症、パーキンソン病などさまざまな神経・精神疾患と関連している可能性がある。 グルテンフリーの流行については、「セリアック病でもない人の過剰なグルテン忌避は一種のマスヒステリー」 とあり懐疑的。2025/08/02

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