内容説明
見う見う、かなかな、父よ父よ、肩刺せ裾刺せ綴れ刺せ……昔の人は鳥、虫、動物の鳴き声を、言葉として、聞きなおしてきました。音に関わる日本語を紐解く著者に誘われ、読みすすめていくうちに、実にさまざまな音の世界を表現する日本語があることに気づきはじめます。音の言葉に広がる世界は、本書の所々に組み込まれたカッティングアートの静かな世界と重なり、日本語の美しい「音」の世界を一層際だたせて、日本人が持っていた語感のすばらしさを確信させます。時代によって変化しやすい言葉のなかにも、その名残りをとどめているモノがなんと多いことか。『耳を澄ます』の「澄ます」の意味は、濁りや汚れをなくし、透き通った状態にすること。じっと耳を澄ますうち、音は耳で聴くのではなく、心で聞くのだと、改めて発見させてくれる珠玉の言葉集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
森の三時
7
日本語って素敵だなと思わせる本でした。日本語にはたくさんの擬音語がある。昔の日本人にはどのように聴こえて、どのように文字を綴ったのか、とても興味深かった。季節柄、蝉の声を紹介。みんみん蝉は、「見う見う」。会いたい、会いたいと短い命を恋に焦がれて鳴きとおす。つくつく法師は、「美しい佳し」。「美し」は愛しい気持ちのことなので、好きだよ、素敵だよと鳴いているとか。実際も、蝉は夏の間、恋人を求めて鳴く。うるさいほど鳴くのはヒッシだからですので、これからは温かい目で見てあげましょう。挿し絵もとても素敵でした。2015/08/09
さちこ
3
いままでうるさいと思っていたミンミン蝉の鳴き声ですが、その名前の由来は「見う見う」鳴くから。なんと「会いたい会いたい」と昔の人は聞いたらしい。次にミンミン蝉が鳴くときには私もうるさいと思わなくなるかもしれません。2010/02/12
野火*
2
こういうのを読むと改めて日本語の素晴らしさと日本人の感性の鋭さを感じます。それにしても、虫や鳥たちは素直で健気だ。2011/03/26
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