内容説明
情報処理産業の将来を見通した男が、優秀なスタッフとともに、子会社の枠を破って、シンクタンク化構想に着手した。ところが、親会社はつぶしにかかる。いかにその桎梏から逃がれるか? 凄絶なたたかいが始まった。飛躍をめざすソフト技術者と、従順な子会社に抑えこもうとする首脳陣、資本内衝突を描く経済小説の傑作。『大いなる志』を改題
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶ~よん
75
1990年代に刊行された、情報処理産業のあり方を問うた経済小説。モデルは三井物産と、三井グループ17社の共同出資により設立した三井情報開発(MKI)。グループを1つに結ぶために、情報技術を用いたシンクタンク化構想に着手した情報技術者と、あくまで商社の一機能とさせたい物産側が激しくぶつかり合い、資本内衝突へと発展する。現在なお生じている情報技術への無理解について、30年以上前から闘っている人達がいるのだと改めて実感すると共に、当時の彼らが今の日本の状況を見て何を思うか考えさせられる。男の嫉妬は醜い!2023/06/30
_apojun_
3
タイトルにある「ソフト技術者」というワードだけで古い本だと思ったが体感的に80年代の前半ころの話かと。 モデルになった人物、出来事があったようでもしかしたら小説の形をとったドキュメンタリーなのかも。 テクニカルな話はほとんど出てこず、ソフト産業黎明期の進歩派と守旧派の対立といった、半沢みたいな内容。 ただ、ラストは静かな幕引きでいまいち欲求不満。 あれだけ煽ったんだったら最後はスッキリさせてほしかった。2023/12/16
ハルロオ
1
仕事にはロマンが必要だ2011/09/08