内容説明
県内の図書館を支援し、館内では利用の利便性にこころがけ、またネットワーク面では県内の横断システムの構築といった施策を試み、入館者数と貸出冊数が12年連続トップという結果を出した岡山県立図書館。その成長の歩みを紹介し、情報化時代の公共図書館の役割を問う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さすらいのアリクイ
7
岡山県の今の岡山県立図書館ができるまでの紆余曲折、できるまでの段階の時点ではじめたコンピューターシステムの導入や岡山県内の他の図書館との連携、図書館ができたあとの出来事やまだ実現できていないことについての説明など、内容は図書館関係者、知識がある方向きです。内容を把握するのが難しい本。しかし図書館の計画がダメになり、新しい図書館案、建設までの間に色々な案が出て、人が関わり、できたあとも色々あったことが細かく書いてあって、読むと今の岡山県立図書館と岡山県内の図書館が少しずつですが理解することができる。2019/03/16
小説大好き
1
これは非常に良著であると思います。岡山県立図書館設立について読み進めていく中で、文部科学省を始め行政側が持つ打倒すべき偏見、例えば館長を務めるには専門的な知識より経営能力の方が大事であると考えられている点(この考えが指定管理者制度の乱用に繋がり、効率重視の民間経営の中で図書館本来の意義が薄れていく)や、児童サービスが非常に軽んじられている点など、現代の図書館制度全体が抱える問題が切々と理解できました。また、図書館の役割を利用者の課題解決に限定せず、広い知識や教養の提供と捉えているところに共感しました。2021/05/30