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内容説明
中間層の没落、ポピュリズムの台頭、自国ファースト……。民主主義が、世界中で同時多発的に崩壊の危機に瀕している。飽きるほど目にした現象を、しかし我々は本当に理解しているのだろうか。朝日新聞ニューヨーク支局長を五年務め、オバマ、トランプ両政権の誕生を目撃したジャーナリストが、世界で連続発生する「有権者の乱」を描き切った、混迷を極める国際社会への提言にして渾身のルポルタージュ。B.アンダーソンやR.パットナムら、「漂流する民主主義」を憂う「知の巨人」達のインタビューも必読。 【目次】はじめに/序章 民主主義って何だ?/第一章 予兆 二〇〇六~〇八年/第二章 波乱 二〇一五年/第三章 通底 二〇一六年/第四章 警鐘 二〇一七年~現在/おわりに
目次
はじめに
序章 民主主義って何だ?
第一章 予兆 二〇〇六~〇八年
第二章 波乱 二〇一五年
第三章 通底 二〇一六年
第四章 警鐘 二〇一七年~現在
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
57
世界中がトランプ現象に代表される他者排斥・自国第一主義に呑み込まれている。各国の問題に対する共通項がわかりやすく書かれており、概観するには良い本だと思う。日本も決して例外ではない。この問題に関してはネットの影響が大きいため、その視点で考え続けていきたい。2018/08/18
ゆう。
32
トランプ大統領や安倍首相の登場など、ポピュリズムの台頭の意味するものは何なのか、それは民主主義の危機なのかを丁寧にルポされている。分断の背景にある矛盾は、民主主義を進化させる可能性もある。そうした微かな希望も見出せる一冊だった。2020/01/17
skunk_c
29
思えばインターナショナルな選挙なんて、欧州議会くらいしかないんじゃなかろうか。本書の最後に登場するベネディクト・アンダーソンの「ナショナリズム」の捉え方にはっとした。そもそも民主主義を象徴する選挙は、実に国家あるいは地域的なものであり、グローバリズムと相性が悪いのではないかと。ならば、ナオミ・クラインが指摘していたような対立軸が現れるのかも。トランプやブレグジットに見える「ポピュリズム」を再配置すると、実はそのあたりに争点があるのかな。そして日本の場合はグローバリズムに寄り添うポピュリズムという異端児か。2018/10/15
樋口佳之
24
ポデモスの出自について読めたのは収穫。/スペインには社会主義ポピュリズムが生まれる余地がある」と彼らは事前に分析しており、実験室の中で生まれた政党とも言われています。演説の言葉遣い、代表の服装に至るまで、一つ一つを計算し尽くしている。2018/10/11
hk
21
総論としては要領を得ないが各論としては示唆のある一冊だ。なぜ総論として要領を得ないかとえば、「民主主義」という日本固有の定義不能な概念を用いているためである。著者が民主主義という文言を用いて伝えたいのは、果たして「民主政体」なのであろうか?或いは「リベラリズム」なのであろうか?はたまた「リベラル・デモクラシー」のことをいっているのか?その時その時で民主主義の定義がグラグラと揺れている。いわゆるご都合主義である。だから総論としては要領を得ないのだ。だが各論においては、なるほどと唸らされる論理展開が散見される2018/12/14




