講談社現代新書<br> 崩れる政治を立て直す 21世紀の日本行政改革論

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講談社現代新書
崩れる政治を立て直す 21世紀の日本行政改革論

  • 著者名:牧原出【著】
  • 価格 ¥913(本体¥830)
  • 講談社(2018/09発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065130773

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内容説明

安倍晋三政権に不利な情報が記載されている公文書の廃棄、官邸に居座る官僚の専横など、政治と行政の崩落は国民を失意のどん底に陥れている。一部の政治家や官僚の首をすげ替えても、事態は好転しそうもない。政と官の制度設計は事前に考えられたものか、制度作動は順調かの原則論に基づきつつ、戦後の歴代首相の政治手腕とその成果、小泉純一郎政権の成功、民主党政権の失敗から、現安倍政権の政治主導、行政崩壊の核心に迫る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あきあかね

20
 政治と官僚との政官関係について、明治維新、戦後改革に次ぐ第三の改革と言われる1990年代の諸改革、更には現在までの動きを概観する。それぞれに特色を持つ「古典的五省庁」を中心として、戦後からの政官関係の変遷が分かりやすく整理されている。予算を中心とした総合的設計、自律的調整、アイディアの政治の牽引、自己抑制、与野党間の調整といった各種機能のバランスの中、改革を進めることができた小泉政権、その後改革に失敗した第一次安倍政権と民主党政権等の成否の要因を分析する。⇒2022/08/28

4
行政学に不勉強な自分にはなかなか難しかったが、現政権の何が問題かを掴むのに有用。現政権は、官邸とその周囲の少数の官僚集団からなる内政・危機管理、経済政策、対外政策の3系統を並立させている。これが政権を長続きさせる要因となってきた一方、「官邸とその意向を受けた各省幹部vs各省の現場」や「政権vs独立機関」といった対立を生じさせている。具体的には森友学園問題やイラク日報問題など。 改革された制度がいかにうまく作動するかに注目する「作動学」から見ると、21世紀の各政権への評価が違って見えてくるのもおもしろい。2020/06/09

お抹茶

3
小泉政権以降の政と官の関係を作動学の観点で検討。自民党長期政権では,中核の省庁が行政活動を安定的に担い,通産省が変化を起こし,法令の強度安定性を内閣法制局が掌握するというバランスで,官僚制は自己作動していた。小泉政権では,内閣府に設置された会議体と官房副長官を中心とする調整で政官協働を実現。民主党政権の脱官僚依存は困難だったが,積極的に進めた情報公開の意義は大きく,政権が拒めばリークや訴訟提起が定着した。第二次安倍政権では官邸からの過剰介入で行政崩壊を招いた。政治責任と行政への指揮命令系統の明確化が必要。2019/07/07

とりもり

3
二度の政権交代を経て、政と官の関係がどのように変化したかについての分析。何もしなかったw森内閣という助走期間をうまく活用して行政改革を成功させた小泉内閣。その遺産を活用せずに「戦後レジームからの脱却」という意味不明な隘路に陥って自己崩壊した第一次安倍内閣と小泉路線に戻した福田・麻生内閣。そして、迷走を重ねた民主党政権も、著者は情報公開を進めたことと政治主導に舵を切った(やり方は間違っていたけどw)ことを評価し、意外にもその後の第二次安倍内閣にそれが承継されているという。見方としては面白かった。★★★★☆2019/06/10

とある本棚

2
なんとなく読みにくい本。冒頭で分析枠組みが示されるものの、話が散漫になっており各事例が分析枠組みのどの部分に当たるのか追いにくい。また読み込むには相応の行政学の知識があるのが望ましい。個人的には民主党政権から第二次安倍政権に至る政官関係の連続性が興味深かった。2022/01/16

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