内容説明
東日本大震災から6年半余り。被災者の生活再建,地域再生,放射能汚染問題の解決の目処は立たず,長期避難者も多い。未曾有の災害を生み出した社会的メカニズムを,社会学の現地調査を基に解明。第1巻は原発事故と避難・生活再建,原子力政策の転換に焦点を当てる。
目次
第1部 福島原発震災はなぜ起きたのか
第1章 福島原発震災が提起する日本社会の変革をめぐる3つの課題(舩橋晴俊)
第2章 構造災における制度の設計責任──科学社会学から未来へ向けて(松本三和夫)
第2部 避難者の生活と自治体再建
第3章 「原発避難」をめぐる問題の諸相と課題(山本薫子)
第4章 避難指示区域からの原発被災者における生活再建とその課題(高木竜輔)
第5章 避難自治体の再建(今井照)
第3部 原子力政策は転換できるのか
第6章 災後の原子力ローカル・ガバナンス──東海村を事例に(原口弥生)
第7章 エネルギー政策を転換するために──ドイツの脱原発と日本への示唆(青木聡子)
第8章 原子力専門家と公益──すれ違う規範意識と構造災(寿楽浩太)
終 章 福島原発震災から何を学ぶのか(長谷川公一)