内容説明
ちょうど50年前、1968年の日本は「昭和の青春」真っただ中。東大闘争、三億円事件、恋の季節、あしたのジョー、任侠映画……。世界の潮流に先駆けて、日本人の情念を大きく変えた「熱い1年」だ。特異な出来事と新世代のエネルギーの奔流を濃密に描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
86
音楽、映画、少年漫画、プロ野球などから見た1968年論。1968年といえば私は小学5年生。野球は巨人が圧倒的に強く「巨人の星」や「あしたのジョー」はリアルで読んでいたしグループサウンズの長髪を見た家族からあんな髪型は不良なのであんな風になるなと言われた。映画は学校の決していい環境ではなかった講堂で『黒部の太陽』を見た。しかしこの年を本当に謳歌していたのは私より一回り上の大人たちだったと思う。こんなに熱かった年はほかにないのかもしれない。まだいい未来が待ってることを信じていた時代。図書館にて2019/08/25
ぐうぐう
33
1968年に起こった出来事として、ザ・タイガース、少年マガジン、江夏豊と星飛雄馬、映画『黒部の太陽』という4本柱でエピソードが紹介されている。1968年という括りがあるだけで、この4つの出来事に共通性はさほど見受けられない。そういう意味では、散漫な印象をどうしても受けてしまう。同時に、4つのテーマを盛り込んだことで、やや消化不良も起こしている。特に『黒部の太陽』のエピソードは、五社協定が瓦解する視点から、一冊の本としてたっぷり読みたかった。(つづく)2019/01/16
おかむら
26
1968年の大衆文化にスポットを当てる。音楽界はザ・タイガースとフォーククルセダーズ。マンガ界は少年マガジンとあしたのジョー。野球界は江夏豊と星飛雄馬(!)。映画界は石原プロと三船プロの「黒部の太陽」。なんだかとてもマニアックな選択ですが、週刊少年漫画誌の勃興期のアレコレ、名だたる 漫画家さんの新人時代のエピソードとか、面白いっちゃー面白い。そして梶原一騎すごいわ。2018/10/26
hk
23
「激動の一年」。1年を振り返る際の常套句だ。どの年も激動と安寧が混然一体となっているのだが、メディアは激動の部分にスポットライトを当てたがる。さて本書ではほぼ無作為に1968年という一年を抽出。この年を「激動の一年」という色眼鏡で見た場合の、デフォルメされた1968年を紹介していく。…集英社が満を持して週刊ジャンプを創刊。三船敏郎と石原裕次郎が共演した「黒部の太陽」で大手映画五社協定に風穴。江夏豊の年間401奪三振という前人未踏の快挙。…なるほど…所得倍増計画成就の年の息吹が僅かだが確実に伝わってくる。2019/02/19
阿部義彦
23
ちくまから四方田犬彦さんが「1968年、三部作」を出しましたが、同工異曲の本です。1968年には人を惹きつける何かがあるようです。筑摩選書は主にアングラ文化、ガロやつげ義春、天井桟敷、などを取り上げましたが、こちらはモロメジャーというか大衆的な文化、少年ジャンプ、永井豪、タイガース、明日のジョー、巨人の星等などを取り上げています。映画では 「黒部の太陽」と五社協定についてかなり詳しく書かれています。少年マガジンの黄金時代に関しては、梶原一騎抜きには語れず詳しくストーリーまで追ってます。熱かった日々2018/09/27
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