内容説明
現代振り飛車最強の布陣!
本書は「三間飛車藤井システム」の初の戦術書です。
「三間飛車藤井システム」とはその名の通り、通常四間飛車の戦法である藤井システムを三間飛車で行うもの。本書の著者である佐藤和俊六段がNHK杯で連採し快進撃を果たしたのは将棋ファンの記憶に新しいところです。
この戦法の特長は四間飛車の藤井システムにとっての天敵であった居飛車の急戦に対応しやすいこと。そして居飛車穴熊に組まれてもじっくり戦って互角以上に戦えるということです。居飛車側の選ぶ作戦に応じて、緩急自在に駒組みや仕掛けのポイントを変える柔軟性こそこの戦法の魅力といえます。後手番でも積極的に戦えることも大きな魅力です。
本書で現代振り飛車最強の布陣「三間飛車藤井システム」をマスターして、居飛車をキリキリ舞させてください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kenitirokikuti
8
藤井システムの流行期は1995〜2004。現在の先手藤井システム基本図から仕掛けて良くするのが難しいという状況。後手ならさらに先手からの急戦を警戒せねばならないというハンデがある。で、後手三間飛車藤井システムは急戦に対応しやすい、と。また、穴熊を組まれても雁木で応じる変化がある。なお、藤井九段は雁木不支持なのか、後手三間飛車藤井システムは不採用▲佐藤和俊六段が準優勝した2016年度NHK杯、全9局のうち8回が後手番となってしまい、逆に三間飛車藤井システムが主力となってしまった。一種の怪我の功名?2018/10/17
nerozou666
2
振り飛車側の居飛車穴熊対策で有名な「藤井システム」。本書はその藤井システムに改良を加え、四間飛車でなく三間飛車で藤井システムを運用しようという試みです。藤井システムの弱点である居飛車急戦を、四間飛車より急戦に強い三間飛車で同じことをすれば弱点はなくなるのではという、ありそうでなかった発想。三間飛車党の私としては非常に助かる反面、指しこなすのが大変であるという藤井システムのもうひとつの弱点は私では克服できなかった……。でもよい棋書でした。2020/02/23
kinaba
2
こういう指し方も十分指せる、という引き出しが列挙されていて、「システム」の解説として良い塩梅。雁木+右四間などの居飛車系の形に戻るのが主要な変化にあるので、振り飛車党の自分が居飛車を練習するのにもよいかも…2019/02/06
かーんたや
1
トーチカに弱い2019/05/30
名梨
1
将棋の戦術本だし、これから何度もめくるし、読書メーターに記録することでもないかとは思ったけど、ふつうに読書をしてしまったので記録しておく。著者(読書メーターなのであえてこう呼ぶ)が後手番でこの戦法を指す時、どう指し回すのかワクワクしてしまうのだが、この本も同じだった。著者の実戦で観たことのある形だけでなく、観たことのない形も多数紹介されており、並べながら読み進めるつもりがページをめくる手が止まらなかった。自戦記やコラムも興味深かった。みんなに読んでほしいけど誰にも読んでほしくない、コソコソ読みたくない本。2018/09/16