内容説明
東大阪の中小メーカーマジテック創業者にして天才発明家の藤村登喜男が急逝する。彼こそ、芝野健夫に事業再生家として歩むきっかけを与えた恩人だった。芝野はマジテックを救うべく、曙電機から転じて奮闘する。ものづくりニッポンを下支えする町工場に降りかかる難題と、自己の利益を優先する金融機関に翻弄され、苦境の渦に飲み込まれていく。捨て身の最終戦を前にして、鷲津をも巻き込んで、芝野は決死の反撃を決断する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
328
5割くらいは『レッドゾーン』『グリード』内の文章引用で、この2作を読んだ直後であれば超速で読み終わる。割と好きな一冊なので、今後も芝野メインの話を書いて欲しい。ここで描かれるのは、ターンアラウンドマネージャーとしての芝野ではない。むしろその方面ではあまり鋭いところは見えない。鷲津という本流がありきで、人柄や方法論で対を為す彼が、同じ世界観の中で何を成し遂げるかが興味を引っ張る。そして今読むと、どうしても池井戸潤の作品とも重なる。同じ中小企業を舞台にし、しかも技術力勝負の会社。それでこの着地の違いが面白い。2019/10/09
小説を最初に書いた人にありがとう
107
ハゲタカシリーズのスピンオフ小説。今作の主人公は事業再生家の芝野。大阪の町工場との縁から倒産危機のマジテックの再生の手伝いをする話。こんな小さな会社にもハゲタカファンドの食指が。。それと戦う熱い社員達の話。鷲津の登場を今か今かと待ちわびた。 芝野という主人公は真面目すぎるせいか、小悪党の村尾がアクセントある存在で個人的には楽しめた。違う小説だが半沢直樹的には倍返しだ。2018/10/17
ハッシー
73
★★★★☆ 2007年にNHKのドラマを見て好きになり、その後はずっと小説を読んでいる。企業買収を通し、鷲津が腕一本で並み居る大企業や大銀行をなぎ倒して行く爽快感は、私の中では池井戸作品と双璧をなす。本作はシリーズ4作目と5作目の間で展開されたパラレルストーリーという位置づけで、主人公は鷲津のライバル柴野であり、舞台は大阪の中小企業という設定。大好きな鷲津がほとんど出てこないことと、大企業を相手にした派手な買収劇もないので、中盤まではなかなか読み進められなかったが、それ以降の展開は期待通り。楽しかった。2020/05/06
佐島楓
69
芝野さんが主役! NHK版のドラマが好きな私は脳内で柴田さんが再生され続けた。そして窮地に陥り最後の最後に……! 鷲津(もちろん大森さんで)、いい仕事をしてくれるなぁ! やっぱり、悪役に徹しきれないいいキャラだなと思う限り。2018/10/08
如水
35
今現在半沢直樹シリーズがTVで放映中ですね。けど僕は『ハゲタカ』派です。何故か?時代背景に沿って話が進み、M&Aにおけるディールと話の展開がとにかく速い。ビジネスってコレ位スピーディーにやらないと生き残れないんだよ?と言う事を小説で体感出来るからでしょうか(逆に話の展開が速過ぎてちょっと…と言うビジネスマンは多分現実でも…と勝手に判断している)?本作品は4作目のスピンオフ、分かり易く言うと『日本から見たリーマンショック』が綴られてます。この頃ペーペーだったので与信管理に必死💦だったのを思い出しました。2020/09/03
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