新潮文庫<br> ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス(新潮文庫)

個数:1
紙書籍版価格
¥440
  • 電子書籍
  • Reader

新潮文庫
ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス(新潮文庫)

  • 著者名:滝口悠生【著】
  • 価格 ¥440(本体¥400)
  • 新潮社(2018/09発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101213712

ファイル: /

内容説明

夢みたいに流れる風景にみとれた私は、原付バイクごとあぜ道へ突 っ込む。空と一緒に回転し、田んぼの泥に塗れた19歳だった私と、14年後の私がつかの間すれ違う。互いの裸を描き合った美術講師の房子や、映画監督の夢をかかえて消えた友の新之助、そして旅先で触れた様々な言葉。切れ切れの記憶を貫いて、ジミヘンのギターは私のそばで静かに発火する。寡黙な10代の無二の輝きを刻む物語。(解説・近田春夫)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

巨峰

70
芥川賞もとった純文学系の作家さんの作品だけどそんなに難しく読む必要もないかも。現代のありきたりな青春を、内容はそんなにありきたりでもないんだけどw、ありきたり風に語った。ちゃんと現代性もある。でも、おいらもヌード描いてほしい。ヌード描きっこしたいぜ。2018/06/27

アマニョッキ

51
すごく面白い小説だった。書いてあることではなく、書けないこと(経験しているのに記憶に残っていない過去)にずっと思いを馳せている小説。確かに「過去」とは自分が覚えている記憶だけのものであり、そこには都合のよい解釈や悪意のない捏造が含まれることもある。では、覚えていない過去はどこへいってしまったのか?そんな目線の青春ロードムービー。こういう気持ちをきちんと文章にできるひとには、いつまでもこのままの感覚で作品を書き続けてほしい。なかなか一般受けはしないだろうけど、わたしは大好きです。2018/07/08

さっとる◎

39
かつて大切だったもの。忘れるなんて思ってもいなかった。思い出そうとしてはて、私は何を忘れないと思ったのか何を覚えておきたかったのかその時確かだと思えたのは何のことだったのか、鮮やかだと思っていたのに目をこらした途端輪郭を失う。見えた空がやけに青かったことを思い出し、その空の青さが空が綺麗って誰かが言った別の記憶を引っ張り出してくる。記憶の中で時間は伸縮するし順序は解体される。私をつくってきた大切だったはずのものが今はこんなにも遠くて、遠くて平気なことに愕然としたりする。今、過去の時間はその通りに流れない。2018/04/10

Kazuko Ohta

27
芥川賞受賞作ではないけれど、選考会では結構推されていた模様。芥川賞っぽい。『ボ・ラプ』の「ジミヘンを知る俺が」という台詞が頭に残っていなかったら、この本を買わなかったかも。原付で走った東北の旅を振り返る。地震やテロがいかにもという感じで絡められている小説は正直言って苦手ですが、本作はさりげない。誉田哲也の『月光』を読んだ直後だったから、同じ教師と生徒でもこんなふうに描かれれば笑顔。女教師と男子生徒がお互いの裸体モデル、しかも生徒側は2人並んでフルチンなんてところを想像すると可笑しい。記憶はいったい何処へ。2019/02/22

TSUBASA

23
バイク旅をしていた19歳の私。高校の非常勤講師であった房子のこと、映画を撮ろうとしていた友人の新之助のことを思い出しながら、曖昧な青春の日々に思いを馳せる。どんなに記憶していると思ってたって、過去の出来事は薄ぼんやりとした現在(の記憶)でしかない。ひたすら不確かな表現の連続で、読者はモヤモヤさせられる。が、若かりし頃の記憶に揺蕩うのも悪くはないのかなと思わせられた。表題の意味する所は何か?ノイズを駆使した演奏と自らの人生を照らし合わせたのかなとか思ったけど、わかるようなわからないようなやっぱりわからない。2018/04/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12739644
  • ご注意事項