内容説明
黒船来航後の動乱期、それまで歴史の裏に潜んでいたアウトローたちが表に躍り出てくる。なぜか? 博徒・侠客としてひと括りにされる彼らアウトローは、錦絵や講談・浪曲、大衆小説等で縦横無尽の活躍を演じていたが、それは虚実入り混じっての密着固結したイメージで、実像とはとても言い難い。著者は虚像を覆う危うい皮膜を一枚一枚剥ぎながら、島抜けをした甲州博徒の巨魁・竹居安五郎やおなじみの国定忠治、黒駒勝蔵、勢力富五郎らの実像に一歩一歩迫る。歴史学の手法にのっとって幕末維新史に博徒を位置づけ直した、記念碑的労作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
姉勤
35
期待はずれというか想定違い。奇兵隊の力士隊のような博徒の集団や、清水次郎長や会津小鉄のような埋葬を禁止された佐幕兵士を「お上」に逆らって丁重に埋葬した、義侠的内容を期待していたが、ペリー来訪の騒ぎから、流刑地からの脱出「島抜け」を成功させた博徒集団のバックボーンを皮切りに、比較的マイナーなやくざ者の資料を以って紐解く。黒船来航以来ガバナンスを失った、江戸幕府の治安維持ができないことによる民衆の武装化と、某世紀末救世主伝説のような暴力の沙汰が頻発していた社会が、維新の血気を醸成していた感じを彷彿とさせた。2023/05/14
筑紫の國造
11
博徒、いわゆる「やくざ者」から見た幕末の日本。「正史」には登場しないアウトローたちは、歴史にどう絡んだのか。お馴染み国定忠治も登場するが、メインは竹居安五郎、次郎長のライバル黒駒勝蔵と水野弥三郎ら。安五郎の「島抜け」からどのように幕末と絡んでいくのかと思ったら、なるほど赤報隊と勤皇博徒の悲劇が噛み合っている。筆者は学者だが、かなり思い入れ過多で、感情が溢れている。時代の変動にあっては、「無実の犠牲者」が出てしまうのは仕方ないのかもしれないが、せめて彼らの無念をすくい上げ、慰霊してやるのも必要だろう。2018/08/26
スプリント
7
幕末の博徒というと清水の次郎長や国定忠治が有名ですが、敵役と知られる吃安こと竹居安五郎と黒駒勝蔵にスポットを当ててその生涯を追っています。2018/08/10
竜
4
竹居安五郎、黒駒勝蔵、勢力富五郎、無宿幸次郎、水野弥太郎…実在した博徒たち。知っていたのは黒駒だけだったが、たくさんいたんですね。映画でもなく時代劇でもなく、小説でもない彼らのリアルな暴れぶりに圧倒された。堅気を平気に傷つけ、迷惑をかけるのは何も今始まったことではなく昔からだったんだな。冒頭の島抜けのシーンは怖かった。2023/02/08
bafuken
2
お上の「正史」に対して「稗史」は、博徒・侠客や浪人らアウトローが活躍する歴史であり、歌舞伎や錦絵、講談・浪曲、大衆小説等で描かれた清水次郎長、国定忠治らは、民衆のヒーローであった。本書では、幕末維新期に活躍した甲州博徒、竹居安五郎とその子分黒駒勝蔵、岐阜の博徒水野弥三郎ら、幕府や維新官軍に対抗し、あるいは利用され、排除されていったアウトローたちの実像を、子孫の家に残された文書等により文献史学の手法を用いて紐解いていく。2018/07/13
-
- 電子書籍
- コンピュータはなぜ動くのか 第2版 -…
-
- 電子書籍
- 高次元宇宙からのメッセージ 神言密教書…




