東西ベルリン動物園大戦争

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東西ベルリン動物園大戦争

  • ISBN:9784484181080

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内容説明

冷戦時代、壁で分断されたベルリンにあった2つの動物園では、東西の威信をかけて競争が激化していた。ゾウや珍しい動物の数を競い合い、シュタージ(東の秘密警察)がお金を集めてメガネグマを買ったかと思えば、西のシュミットはパンダを入れるために画策する…。動物園はレジャー施設で、体制の象徴だった。いままで知られていなかった冷戦の歴史に迫るノンフィクション。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

108
フィクションじゃなかったのか。ベルリンの壁がなくなったら動物たちはどうなるのと、心が痛くなっていった。だから最後は…。気持ちを言葉に出来ないな。2021/03/13

yyrn

25
どうして70年も前のことが、まるで昨日の出来事のように克明に描けるのだろう?また50年にも及ぶ長い長い話で、東西ベルリンにある二つの動物園の名物園長らが繰り広げる強烈な動物園愛に満ちたノンフィクションなのだが、とても生き生きと描けていて、面白い小説を読んでいるよう。冷戦下で緊張する場面も多々あるが、それぞれの対抗意識がとっても人間臭くて面白い話だった。ドイツ統一後の顛末には寂しさも感じるが、動物園の転換期でもあったのだろう。なお、章ごとに挟まれる8つのコラム「動物園の歩き方」では現代の動物園実情が知れる。2019/01/10

かもめ通信

21
いやはやこれはなんともはや!思わず笑ってしまうノンフィクション!!よくよく考えると笑い事ではないのだけれど……。少々(?)マニアックではあるけれど、動物好き、動物園好きも、歴史好きも、政治談義の好きも、それぞれの萌えポイントで楽しめそうな1冊だ。2018/10/01

泰然

11
戦中、冷戦期、ベルリンの壁崩壊までの東西ベルリンの動物園の群像を通して描かれる異彩で見事な歴史ノンフィクション。文芸では動物園のイメージは高村光太郎の『ぼろぼろな駝鳥』の「人間よ、もう止せ、こんなことは」があるが、本書は鉄のカーテンの最前線で「人の琴線に触れる自然で知的な文化施設」として動物園が果たした役目を伺い知ることが出来る。ナチの残影、東西冷戦の風、パンダ外交、秘密警察の視線などのなか、東西それぞれで経営手腕を発揮した両園長の実務力は正に「ホモ・エコノミクス」だが情熱故に憎めない魅力に満ちている。2020/03/15

maroa

10
ベルリンの壁があった冷戦時代、東西2つの動物園の競争が物語風に書かれているが、実は背景に核戦争も想定される緊迫していた頃のノンフィクションもの。大きな戦争でドイツ同様に敗戦国である日本も多くの動物の命が失われ、上野動物園などのことも語られている。章ごとに入る「動物園の歩き方」も色々と興味深い。当時ハクビシンと一緒に働く園長の写真が印象的。そして最後に述べられていた、今日では動物園の入園者は楽しい気分を味わうと同時に環境破壊と自然保護についても学ぶことが求められる…。自分も最近動物を通して感じることである…2019/04/15

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