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内容説明
日本の古代・中世絵画には苦しみ、恐れ、悲しみ、嫉妬、絶望など、世界の暗部をのぞき込むような主題が散見される。本書では絵巻や掛幅画に描かれた闇について、仏教思想や身体観、歴史的事件などを手がかりに「地獄」「鬼と怪異」「病」「死」「断罪」「悲しき女」の各テーマに分けて、よみといていく。日本人は生老病死をどうとらえ、どう描いてきたのか。暗闇からの日本美術入門。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
60
地獄や鬼、怪異といったこの世ならざる恐怖から病や死といった人間苦まで、中世美術に描かれた恐怖を解説した一冊。絵そのものの解説より描かれたものの文化的背景、社会的背景を読み解く事が中心となっているように思える。いずれも興味深い主題ばかりなのだが、それぞれに割く頁数が少ないためかいまいち食い足りない。地獄絵、九相図にしても小町の流離譚にしても、それだけで一冊の本に値すると思えるものばかりだしなあ。著者があとがきで述べているように、本書を取っ掛かりとして興味のある分野を読み進めていくのが正しい使い方とも思えた。2018/10/06
六点
59
Webちくまに連載されていた随筆を集成した一冊。2024/11/06
Norico
26
中野京子さんの怖い絵シリーズみたいな感じで、日本の絵を紹介してくれるのかと気楽に手にとったら、とっても難しかった。そして、日本の絵巻物は損傷が激しいせいか、紹介してる絵の細部までよく分からずで残念。十王や地獄草紙、あと道成寺なんかの女性の情念の話は面白かったです。2019/08/26
有理数
17
日本美術、とりわけ仏教からの影響が多大な古代から中世にかけての絵画に描かれた「闇」に迫る一冊。大変に面白い。確かに怖い絵たちが並んでいるが、悪戯に恐怖を煽るものではない。「悪」ではなく「闇」であり、光に対する形で生まれざるを得なかった暗がりと退廃、栄光盛衰が表出する。「地獄」の閻魔大王や、天狗、鬼。病と死。想いが募ったばかりに悲劇に向かう女たち。どれも面白い題材が多いが、初見だった「道成寺縁起」の項目が面白かった。男を追いかけて龍になるというお話もそうだが、この絵巻の絵のインパクトは凄い。2020/06/23
りー
12
後白河院がつくらせた、あるいは鑑賞したであろう絵巻の中に、地獄草子、餓鬼草子、病草子などが入っており、どんな気持ちでそれを眺めたのだろう、と、ぞっとしました。絵の描写がリアルであるほど、絵師や鑑賞者、時代の闇を感じます。また、女性であること自体が罪であるという考え方は、この平安末期~こうした絵巻などを通して知識層→庶民へ浸透して現代に至るのだ、とも感じました。古代祭祀を担い聖なる存在であった女性は、皮肉にも仏教の大衆化とともに救われない存在になっていったのか。2019/08/09
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