内容説明
おんぼろミニバンで世界を巡り、酒場でけんかに明け暮れるアウトロー登山家。視界ゼロで三千メートル級の山に客を運ぶ、命知らずの飛行機乗りなど、クライマーたちの奇怪な生態を描いた痛快登山エッセイ12話。解説は角幡唯介氏。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
140
2018/6/16 Amazonより届く。 2020/4/6〜4/26 先日「空へ」を読んだが同じクラカワ−さんの登山をめぐるエッセイ集。「ギルー伝説の男」、「エヴェレストより高い山」、「K2の不幸な夏」が面白かった。角幡唯介さんの解説もよい。2020/04/26
Kuppa
19
ジョンクラカワーによる登山にまつわる12の小話。自身も一時期はクライマーを志すほどのめり込んでおり、その難しさや目指すところを理解し共感しているからこそ書けるのだろう。エヴェレストよりも高い山があるかもしれないとの山の高さの測量への皆の取り組み、登山中にテントの中に閉じ込められることのしんどさ、彼自信が若い頃にデヴィルズサムに挑戦し苦さを味わったことなど、クライミングやそれにまつわる事に心を奪われた人たちのぶっとび感を含め、人って面白いな奥深いな、と思わせてくれる本だった。全部のエピソードが面白かった。2021/12/27
タカボー
15
山岳ノンフィクションの傑作「空へ」のジョン・クラカワー氏3冊目。本書は「空へ」のヒリヒリする緊迫感とはまたちょっと違う。山はピークハントだけじゃない。アイスクライミング、ボルタリング、氷河のベースキャンプを往復するセスナなど、実際に生きる人々を通して語られる様々な山への関わり方、12のエッセイ。これが書かれたのは「空へ」の前だから、その後にあんな事が起こるとは彼はまだ知る由もない。2021/02/28
shamrock
15
クラカワー2冊目。表題作がとても気に入った。「双子のバージェス」「デヴィルズ・サム」も気に入り。自分は何で危険なことにわざわざ突っ込んでいくのかさっぱりわからん側の人間の代表であることは自覚しているのに、冒険・探検関係の本は好きで、今回は「わざわざ危険」が大好きな人の事がホンのちょっとだけわかったような気がしないでもない。エイドリアン・バージェスと著者が好対象に思えた。2018/08/16
アヴォカド
13
『空へ』「荒野へ』以前に、こんなエッセイを書いていたんだね。結構深刻に”ヤバい”状況でも、この人の独特のユーモアや軽さがあるから、面白く読めてしまうんだね。2018/07/23