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内容説明
私たちが暮らすこの社会は、そもそもどんなふうに生まれたのか。社会の形成・維持に不可欠なルールが、現にこうして守られているのはなぜか。政治秩序の正しさは、誰がどう判断すべきなのか。社会契約論とは、そんな素朴な問いを根源まで掘り下げて考える試みである。本書では、ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズの議論を精密かつ大胆に読み解きながら、この近代の中心的思想に新たな息吹をふき込む。今までにない視点から世界の成り立ちが一望できる、清冽な政治思想入門!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
16
同じちくま新書から出ている①國分功一郎の「近代政治哲学」が哲学的アプローチで男性が書いているのに対し、②本書は社会学的アプローチで、女性が書いていると対照的な印象を持ちました。何より大きかったのは、①が学者らしく、ある程度厳密な記述で知的興奮に訴えかけるのに対し、②はあけすけで、厳密性も放棄しているが読者の理解を促しているところです。粗はあると思いますが、注にあるロックを取り上げない理由は、コミュニケーションの不可能性から社会契約論を考えることと同義であり、①でも表現の違いはあれ同様の評価だったので、大切2017/10/15
魚京童!
14
ホッブス、ルソーくらいまではよかったけど、それ以降は勉強不足なんだと思う。社会契約なんだろうけど、私まだ結んでないし。そういうことをどうにもできない。既に渡したとされる警察権によって封鎖されるだけなんだ。しょうがないよね。でもこれでドレイがドレイでなくなる。市民となることもできる。でもそれって言い換えなだけ。身体障碍者を身障って言ってけんかになる。それと一緒だよね。結局は生きるかを誠実に進めることでしか、人間はできない。でももうそれも終わり、ビールを飲んで昼寝するだけの人間になることができるようになる。2019/08/17
1.3manen
13
なんか裏表紙の著者写真からすると、教授って感じがしない。。あれ? っていう人物像。市場は匿名性で不平等や不正を隠蔽する(021頁)性質もある。契約とは人が何かを譲ることである前に、人と人とが約束を通じて「関わる」こと(085頁)。ヒュームは最大限文明の進歩の価値を評価したが、ルソーは承服できなかったようだ(146頁)。ルソーが今生きていれば、文明の終着駅=原発事故をまのあたりにして、文明の醜悪を批判するだろうか。J.ロールズはの共感とは当人とは別の情緒を引き起こすものであるという認識のようだ(216頁)。2014/01/30
とうゆ
12
ロールズを社会契約論の継承者とおいているのは珍しいのではないか。ロールズが提唱した無知のベールなどの原理を、ルソーの一般意志につなげるところは素直に面白いと思えた。著者の言うとおり社会契約論は確かに現代に必要な思想だと思うが、残念ながら、民意=多数決と認識している人が多い現代ではうけないだろう。2014/09/26
kazutox
11
2013年の本。ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズの4章からなる。ヒュームを使ってホッブズにツッコミを入れ、ロールズを使ってヒュームにツッコミを入れつつルソーの「わけの分からなさ」を解読する、という内容。とても読みやすい本です。この4人以外の社会契約論の歴史の流れも知りたいところですが、著者は特定の思想家のテキストを深く読むのをよしとする人のようなのでしょうがないですね。 2025/05/04
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