内容説明
明治初期にナウマンが発見した、日本列島を真っ二つに分断する「巨大な割れ目」フォッサマグナ。その成因、構造などはいまだに謎に包まれていて、一般向けに書かれた解説書はなかなかつくられない。しかし、フォッサマグナを抜きにして、日本列島の地形は語れないのだ! ブルーバックスで人気を集める地学のエキスパートが挑む!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
147
フォッサマグナとは何か。新潟県糸魚川市と高田平野から静岡県旧清水市と足柄平野に至る広い地域。日本列島は約1~3万年前の古い岩石だが、その一帯は約2千年前以降の新しい地層であり、深さは6千mと言われている。列島の形成過程でできた巨大な地溝を境に「八」の字のように曲がっているのはなぜか。本書に記された誕生の仮説は非常にドラマチック。1億2千万人がこのリスクの塊のような国土で大地変動の度に少なくない犠牲を払いながらも、破局的な災厄は免れていられるのも、フォッサマグナという怪物の懐に抱かれているからではないかと…2019/12/07
KAZOO
144
小学校か中学校の頃に理科の授業で糸魚川静岡線という地溝帯(いわゆるフォッサマグナ)があるということを習ったことを思い出しました。それについての詳しい状況やほかの国にもあるということがよくわかりました。また、最近言われているジオパークについても知ることができ参考になりました。日本には47のジオパークがあるそのうち10のジオパークがユネスコの登録されているようです。2024/10/18
まーくん
92
一般の人もどっかで耳にする数少ない地学用語。ちょっとかっこいい響きだが、専門家でも謎が多いらしい。命名は化石ゾウに名を残す明治のお雇い学者ナウマン。1875年、若干21歳で来日。10年の滞日の間に1万キロを歩き、伊能図頼りに全日本の地質図を作り上げたというから超人。話がそれた。そのフォッサマグナ、6000mのボーリングでも基盤に達しない大地溝帯。西縁は糸魚川ー静岡線であるが東縁はよくわからない。南部には伊豆小笠原弧が北上衝突などと丁寧に解説してわかり易い。成因についてもプルーム説を。興味ある方は是非一読。2018/08/28
きみたけ
88
著者は神奈川大学などで非常勤講師を勤める藤岡換太郎氏。明治初期にナウマンが発見した、日本列島を真っ二つに分断する「巨大な割れ目」フォッサマグナ。その成因、構造などはいまだに謎に包まれていて、一般向けに書かれた解説書はなかなかつくられません。フォッサマグナを抜きにして日本列島の地形は語れないとの思いから、ブルーバックスで人気を集める地学のエキスパートが挑みます。多少専門的な用語が飛び交いますが、フォッサマグナの成り立ちについての推理にとても興味が湧きました。やはり地学は好きですね。。。2021/04/22
skunk_c
73
地理屋からすれば、この言葉は昔から嫌と言うほど聞いていた訳なのだが、実のところその実態はどうもつかみ所がなかった。本書は豊富な図と理論紹介で、その成り立ちや範囲を分かりやすく解説している。最後の方に登場する著者によるフォッサマグナ成因の推理は、その正否を置いても本書の「まとめ」として有意義だった。昨春糸魚川から大糸線沿いを南下、雪で被われた白馬連山を見た時の感動を、ナウマンの平沢での感動に重ねてしまった。全国のジオパークの紹介(いくつかは行った)のコラムも楽しい。それにしても丹沢山地の成因には驚いた。2020/02/12
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