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内容説明
これは資本主義経済の最終局面なのか。デフレによる価格下落は止まらず、無料・格安と銘打つ赤字商売も盛んだ。「1円家電」を売る家電量販店は、家電メー カーから値下げ分の補助金をもらい、「1円航空券」を扱うアメリカの航空会社は、持ち込み手荷物・ドリンク・ヘッドフォンなどあらゆるものを課金対象とす る。販売商品は赤字でも、これまで無料だったもの、こちらがお金を支払っていた相手からお金を吸い上げるのだ。倒錯する経済の時代の稼ぎ方・利益創出法を 伝授。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山田太郎
9
赤字にすればいいってもんでもないだろうと思った。そんなに目新しいこと言ってるわけでもないような。看板倒れとはこのことだみたいなタイトルだな、これ。2011/07/05
チャー
8
怪しい訳あり品ではなく新品の家電が激安で購入できてしまう。最新のスマホが安く購入できてしまう等の不思議な機会を目にすることが増えてきた今日この頃であるが、本書は著者の購買に携わった経験を基にそれらの疑問に答えている。量販店の利益の仕組みは素直に驚かされた。赤字という直感的には負の側面が強い言葉も視点を変えれば新しいビジネスとして成り立つ。激安品の代金も結局巡り巡って誰かが払っているという著者の分析は深い納得と共にため息が出た。消費も労働と記された本書の考察の中に物が溢れ過ぎた現代の新しい仕事の形を知った。2020/06/02
くりのすけ
7
主に家電量販店の内情がよくわかる。特に、営業利益率や販売奨励金といった利益補填の仕組みなど著者のライフワークを通じて、システムがよくわかった。無料でも他で利益を得る戦略、著者の言う逆転経済がよく理解できた。2015/04/15
OTIUM
6
消費行動が労働とは新しい考え方ですね。でも消費行動は価値を生み出さない。消費者に価値を実感できる商品を提供する事が王道。値段を下げて消費をさそうのは、価値を再生産できず破綻する。逆転経済などと喜んでいないで、ちゃんとした経営が必要な事を伝えて下さい。 2011/02/27
仲本テンカ
4
なぜ、赤字覚悟で販売できるのか? それは、商品を売ってもらうために、仕入れ先側がお金を支払っているから。その仕入れ先からの協賛金があるがゆえに、お店側は赤字販売できる…。なんだか、いびつです。「仕入れ先がお店側に協賛金を払っている」という状況は、貨幣による資本主義社会の末期かもしれません。この先、仕事の権利をお金で買う時代がくるのかもしれない。そう考えていましたが、この現象はその萌芽ではないでしょうか。あと数年後には、ベーシック•インカムに移行してしまった方が、経済は廻るような気がしました。消費も労働。2013/04/03