内容説明
甲子園はいつもドラマに事欠かないが、背後の「不都合な真実」に光が当たることは少ない。本来高校野球は「部活」であり「教育の一環」である。勝利至上主義の指導者が、絶対服従を要求して「考えない選手」を量産したり、肩や肘を壊してもエースに投げさせたりするシステムは根本的に間違っている。監督・選手に徹底取材。甲子園の魅力と魔力を知り尽くしたジャーナリストによる「甲子園改革」の提言。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たかやん
31
甲子園はまるでコロッセオの闘技場かのように神聖視され、あくまで学生スポーツだということが軽んじられる。常に一発勝負のトーナメント方式の大会があるために醸成される"勝利至上主義"の空気感。指導者は目の前の大会ごとに選手を促成栽培し、「痛いか?」ではなく「いけるか?」と1人のエースを多投させる。本書の中で元甲子園球児がこぼす「甲子園が魅力的すぎる」の一言に諸問題のすべてが集約されてるように思えて仕方がありません。2018/10/10
つりほさ
23
[今年15冊目] 著者が私の知り合いのジャーナリストの為、個人的な感想は控えます。 内容は今の高校野界での問題を取り上げています。 ただ、批判ではなく、「高校野球界が良くなって欲しい」という著者のメッセージが詰まっています☆2018/08/13
ごへいもち
21
これがきっかけになってもっといい方向になるといいのだけれど2019/02/09
Tak
20
甲子園の問題点を洗い出した新書です。 食べる事は修行みたいな毎日、マスコミに持ち上げられ人生を狂わせた1年生など部活と言うものの意義を考えさせられる本でした。 やはり球数制限とスケジュールの見直しは必要だと思います。2018/09/02
きみたけ
18
甲子園の魅力と魔力を知り尽くしたジャーナリストによる甲子園改革の提言。甲子園を目指す高校の監督は、勝利至上主義のために球児の将来性を犠牲にしている。また少年野球の指導に機軸がなく、怒号や罵声が飛び交う現状に危機感を感じている。さらに、スーパー1年生として取材し周囲からもてはやされた結果、本人の勘違いを助長したメディアの無責任さを追及する。 小中学生の指導環境の改善と甲子園至上主義の撤廃により、純真な球児の将来を第一に考えてほしいと願うばかりです。2020/10/24