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内容説明
今日のコンピュータの礎を築いたジョン・フォン・ノイマン、不完全性定理で数学・論理学の歴史を根底から変えたクルト・ゲーデル、思考する機械への道を拓いたアラン・チューリング。いずれも今日の科学と哲学に多大な影響をもたらした天才たちである。同時代に生きた彼らは、互いに触発され、時に議論し、相互に意識しながら実に多くの業績を残した。比類なき頭脳と個性をもった三人は、いかに関わり、何を考え、どう生きたか。それは今日の世界にいかなる意味を持つのか。彼ら自身の言葉からその思想の本質に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えも
25
20世紀数学界の巨人3名に、同時に会えるなんてとても贅沢。ノイマンは相変わらず人間じゃないし、ゲーデルは厳密すぎて講演録自体がもはや数理論理学だし、チューリングはマシンのようにデジタルな講演内容で70年も前から今のAIを予測してるし、もう、みんな凄すぎですよ!2018/01/18
Shin
16
人工知能を哲学的に解説してくれる本を探すうちにたどり着いた本。人間離れした(事実、異星人と呼ばれたりもする)知性を授かり、であるがゆえに栄光と、そして苦悩を纏いながら20世紀の科学史に巨大な足跡を残した三人の講演録+解説集。人工知能(の限界)を哲学する、という意味では、チューリングの論文が最も考えさせられる。考える機械に対して、比較的楽観的なチューリングに対し、人間の知性の限界に鉄槌を下したゲーデルの身も蓋もなさが対照的で面白い。久しぶりに何度も読み返そうと思える本。2016/05/19
ケニオミ
11
コンピュータの概念を築いたノイマン、不完全性定理で論理学の限界を証明したゲーデル、思考する機械の先駆者であるチューリング。同じ時代を生きた三人の天才達を紹介した書物です。まず各天才の考えを反映する講演録あるいは論文を紹介し、次にその解説を入れ、最後に生涯と思想で結ぶ構成となっています。分かりやすい講演録や論文を選んでいるのですが、何せ天才ですから、小説を読むようには読めない。そのため解説もやや難しく、素人対象の本ではないですね。それでも、ノイマンの群を抜く天才ぶりはよく分かりました。 2014/12/01
まろにしも
10
面白かった。ゲーテルの論文は、めまいがするぐらい難解で、よく分からなかったけれど、著者の解説によって雰囲気が分かった。最高の知性に触れると、なんか自分も少し賢くなったような勘違いが出来るのが良い。2025/03/15
hyoshiok
9
ノイマンは1903年、ゲーデルは1906年、チューリングは1912年生まれ。20世紀を代表する数学の巨人たちの講演などの翻訳と解題・解説。思考する機械を作ることは可能なのか。第三次人工知能ブームと呼ばれている今こそ古典に立ち返ってみたい。良書だ。翻訳も読みやすい。2017/05/27