内容説明
第23回日本ホラー小説大賞〈優秀賞〉受賞作。かつてこんなにも凄絶で美しいエンディングがあっただろうか――選考委員も絶賛した、生と死、夢と絶望が同居する混沌とした街で繰り広げられる、壊れたながらも究極に美しいボーイ・ミーツ・ガールの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ブルー
21
胸に刺さった作品。ラノベのような表紙だが軽くはない。グロくて悲しくて救いようのないお話。キャラや舞台が魅力的なのでハマる人はどっぷりハマれるだろう。文章も上手いので次作も期待したい。まとまっているので続編はないだろうが、このキャラを使って話を広げてほしいと思う。2019/08/16
よっち
18
世界から見捨てられた人々が集まる混沌の街・イタギリ。そこで生まれ育ち明日の見えない生活を続ける少年・晴史が、道端でスケッチをする儚げな少女・シズクに淡い想いを抱く物語。ふとしたきっかけから言葉を交わし、共に過ごす時間を持つ日々を楽しみに思うようになってゆく二人。イタギリで続く殺人事件の真相と、目をそらしたいのに明らかになってしまう真実。惹かれている相手に嫌な部分は見せたくないと願う二人にとってはあまりにも過酷な結末でしたけど、それでも最後まで寄り添いたいと願う二人の気持ちは純粋で美しいものだと思えました。2018/08/24
UNIT-0
17
荒廃した街イタギリを舞台に、ゴミ処理を生業とする主人公晴史とその仲間、そしてヒロインであるシズクの様子が描かれた作品。小説家志望である登場人物の一人が「小説ってのはね」と語る場面などは、小説に対する作者自身の考えが窺えて面白かった。感動できるホラーを読みたくて手に取ったのだが、終盤の晴史とシズクの描写はまさにホラーである一方、感動できる要素に乏しいという印象を受けた。もっと泣ける物語を期待していたんだけどなあ。2018/10/01
まるぼろ
17
疎外された人々が流れ着くイタギリという街で生まれ育った晴史は、「ごみ収集」の仕事中によく見かけていた少女のシズクとやがて言葉を交わす仲になるが…、と言ったお話です。物語の内容とその描写もあってか、正直な所決して読んでいて気分のいい作品では無かったですが、その救われない話の中での晴史とシズクの有り様は純粋さの様な物があったのかなとは思えました。それにしても…、な内容と結末ではありましたが。そう思いながらも最後までページを捲る速度が鈍らない読ませる作品ではありました。次回作等も機会があれば読んでみたいと。2018/09/23
原田雅輝
16
殺人、クスリ、女と警察をはじめとする国家が関与しないインモラルな街イタギリで死体回収屋の少年晴史(はるふみ)が物売りで似顔絵描きの少女シズクと仲を深めていく物語。作者の坊木椎哉の博識さが文章から見て取れる。また、ワードセンスも彼特有のものを感じさせる(「珊瑚色の唇からこぼれたのは、落ち着いた調子のソプラノだった」など)。泥水を啜りながらも懸命に足掻き生きる主人公を見たい人は読みとよいでしょう。2024/04/28
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