内容説明
瀬戸内海の小島に家族旅行をした、ジャーネ君こと平井少年は、思いがけず、慶長小判を発見した。島の数少ない住人は、大さわぎ。ところが、厳重に保管したはずの金庫から、小判が消えた! 犯人は誰か? どうやって盗み出したか? をめぐり、平井少年の活躍がはじまる……。他に「ジャーネ君の寒い冒険」を併録した、異色のジュニア向け本格ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
38
斎藤栄作品は、かつて「日本のハムレットの秘密」を読んで以来。作者にジュニアミステリ作品があったとは知らなかった。短めの長編2作をまとめた一冊。瀬戸内の島での宝をめぐる冒険と、設計図を狙う悪者との、雪山遭難中の推理。ジャーネ君シリーズが他にあったらぜひ読みたい。小学生向けとはいえ、算数知識を使っての推理は、かなりお勉強というか学習まんが的。作者自身が親にかくれてミステリを読んだ経験から、子どもが堂々と読めるための配慮らしい。大人のミステリではあまりないパターンで新鮮。やたらに探偵っぽさを誇示しないのがいい。2024/01/10