内容説明
武蔵野台地の一画で、多摩川を見下ろす城跡に私たちの高校はある。高校3年生の私の仲間で詩人ポーの心酔者で、クラスメイトや先生から愛されていた通称「ノッポ」が学校裏の沼で絞殺死体となって見つかった。彼の死をきっかけに学校の周りで不思議な出来事が続発する。はたして事件の真相とは――。清張作品では稀な青春推理小説で、瑞々しい感覚を放つ一作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ごへいもち
15
さすがに陳腐2022/04/15
kuroday
15
推理小説を作成する初心者向けの授業があったなら間違いなく教科書の一つとなる作品になるだろうと思ってしまった。 それほど展開や登場人物の設定など古典的な安心感のある内容だった。 陰鬱で妖しいポーの詩文をこよなく愛する高校生が鬱蒼とする沼で殺害されるところから始まるのだが、この詩文がある事により一気に怪しげな空気感が最後まで全編に整えられるのは見事だ。 さらに隣接する古びたお寺、そして何かしら意味深な住職たちが登場し、やがて担任の先生は行方不明になり、さらなる殺人事件が起こるのだが結末はさすが松本清張である。2020/03/11
ランラン
8
著書の初期の頃の作品らしく推理小説として古典的な感じがしました。話の展開がゆったりとしてどうやって事件の謎を解明できるのか興味津々でした。2020/10/03
パチーノ
8
松本清張作品唯一の青春推理小説。原題『赤い月』高校生向けの雑誌に連載されていたこともあり、従来の硬質なタッチではなく軽めである。高校生達が仲間のために謎解きをしていくが…。今の青春ものとの違いは戦争が関係してくるかどうかかな。新たな登場人物の出現は唐突すぎるか。彼の著作の中でもかなり珍しい作品。2019/02/07
まあさ
7
昭和30年代半ばに書かれた松本清張唯一の青春ミステリーでした。戦後から間もないような描写もありますが、全く古臭さを感じさせませんでしたね。スラスラ読めてラストはスッキリした読了感!こんな感覚は久しぶりでした。2019/09/19
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