ポップな経済学

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ポップな経済学

  • ISBN:9784799323557

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内容説明

「予測は難しい。とりわけ未来の予測は難しい」
 偉大な量子物理学者ニールス・ボーアが言ったとされるこの言葉から、本書を始めたい。
 未来について話す本。未来に向かって進もうとする本だ。

 これから何が私たちを待ち受けているのだろう。それをこの目で見ることはできないが、せめて手探りででも準備できることはあるかもしれない。
 そこで、なるべくたくさんの事実を紹介することを、この本の最大の目的とした。

 本書に、世界を救う処方箋が書いてあるなどとは期待しないでほしい。最新の理論もない。人々が願ってやまない、奪い取らなくてはならない、ここにしか書いていない真実などというものもない。
 So What? だからなんだって?

 私がこの本を書いたのは、世間で“Disruption”が叫ばれる今の時代に、まだ答えのない多くの問題を明らかにして、新たな課題を提起するためだ。経済学者ヨーゼフ・シュンペーターが「創造的破壊」を唱えていたように、Disruptionすなわち、「破壊」という言葉が、近い将来「創造的」という形容詞が似合う言葉になることを願って。

 本書では、経済に応用されるテクノロジーの歩みをたどっていく。経済学は今、その姿を大きく変えつつある科学だ。それは経済危機のためでもある。危機はそれを予見すべきであった経済学者を追い詰めている。しかし、科学という言葉を使う以上、経済学も他の科学と同様、これまでも進化してきたし、これからも進化して、時代のうねりの中で人々が声高に求める変化の要求に応えていくものであることを述べておく。

 そして経済学は、何よりも人の選択を研究する分野である。実際に、選択に起因する逸失利益(本来得られるべきであるにもかかわらず、債務不履行や不法行為が生じたことによって得られなくなった利益)であるオポチュニティ・コスト、トレードオフ、インセンティブといった言葉はすべて、選択の要因にまつわる用語だ。
 だから本書では、望むと望まざるとにかかわらず、私たちを巻き込んでいくエクスポネンシャル(直訳すると「指数関数的」を意味するが、これまで支配的な地位を築いてきた業界内の企業に対し、新たな競争を迫る「前例なきディスラプション」を前提とする概念)な時代の中で迷子にならないように、そして、進むべき道を見極められるように、テクノロジー・イノベーションのおかげで生まれるたくさんの可能性を整理して、わかりやすく解説する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミライ

23
ゲーミフィケーション、クラウドファウンディング、ビックデータといった未来の最新技術の話が満載の行動経済学本。行動経済学系の本で、AI絡みの最新技術に絡めた内容のものはあまり見たことないだけに、非常に新鮮で面白かった。行動経済学の本をそこそこ読んでいる人にはおすすめ。個人的にはナッジの話が面白かった(ここは深く勉強したくなった)。2018/09/01

tkokon

2
【ゲーミフィケーション】○ポカリスエットのインドネシアのキャンペーンIonopolis。○「Google Image Labeler」。ゲーム形式で画像と検索ワードのマッチングの膨大な量のデータを手に入れた。○ダニエル・カーネマンが提案した調査手法 DRM(The Day Reconstruction Method:一日再現法) では、一種の〝幸福日記〟のように、被験者は毎日その日にしたことを書き、幸福度も記入する。●Kindle積読本大処分。例によって購入動機が思い出せず。(Kindle)2021/02/05

アルミの鉄鍋

1
★4 参考図書も多く読みやすかったしわかりやすい。ただ、ポップというだけあって、内容が軽いので、この本から興味深いのを読み解いていくと更に繋がって面白いかも。1時間半くらいで読み終わる。2018/11/08

KZM

1
発売日前に手に入ったので。行動経済学を中心とした理論に現代の課題や技術を解説していてとても読みやすかった。ナッジという理論自体は知っていたがどういったメカニズムでナッジを作るかや、ビジネスの分野においてもゲーム性が重要であることを知れた。2018/08/26

kaz

0
最近の経済現象をわかりやすく解説。深く理解するためには、もっと専門的な書籍に頼る必要があるが、概要を理解するには十分。構成は、①テクノロジーが、経済学の手法も進化させている!、②現代の魔法の言葉「ナッジ」!、③「ゲーミフィケーション」を巧みに活用する、④クラウドファンディングの台頭、⑤情報社会が抱えるリスク 情報カスケードとデマの蔓延、⑥ビッグデータが統計におけるコペルニクス的大革命を起こす、⑦生活の質を測る新しい指標とテクノロジー、⑧デジタル革命が大学と教育を変える、⑨超接続社会におけるネットワーク。 2019/05/04

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