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内容説明
東芝の不正会計や三菱自工のリコール隠しなど、企業の存続をゆるがす不祥事が続発している。なぜこのような問題が起きるのか。東証一部上場の百社以上を分析し、「不祥事を起こしやすい会社」をモデル化した著者は、トップの暴走とそれを止められない社内風土=企業内のソーシャル・キャピタルに原因があるとする。「強いリーダーシップ」や「各部門のサイロ化」が危ないなど、意外な知見も。あなたの会社は大丈夫か?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かごむし
22
トップの人間は時として暴走する。それを食い止めることができずに不正を行うに至った会社の調査報告書などで、不祥事の原因としてあげられる「企業風土」とは具体的になんなのか。内部のまとまりを示す「凝集性」と、外部に開かれているかどうか、を指標として分析を行っている箇所は考えることが多かった。経営学の本には、こんなこというためだけに何百ページ費やすんだろうと思うことが多いのだが、膨大な利害、人間が絡み合う社会を切り取って、説得力のある理論を提示することはなかなか大変なことだと思った。この本は真摯な力作だと思った。2018/03/03
Salsaru
15
分析はごもっとも。本書には関係ないが、分析や総括は得意だがソリューションやビジョンの提示とか戦略的であることが日本は下手すぎると思う。2017/06/02
isao_key
8
日本企業の不祥事が後を絶たない。というよりは昔から起きていたことがまた繰り返されていることが本書を読むとよく分かる。同じく企業の不祥事について分析した本に畑村洋太郎『失敗学のすすめ』『失敗学実践講義』という名著がある。本書では個別の事例を扱うが、同じように不祥事を起こす企業の共通点を社会関係資本を通して分析している。お手盛りの会議、問題点があって、知っていても見ざる聞かざる言わざるを決め込み沈黙するだけの役員。一番のガンは社長を退任した後にも相談役や最高顧問として会社に居残る日本の大企業にある悪しき習慣。2017/12/04
ハイちん
8
企業不祥事はなぜ起こるのか。不祥事の原因とされる「組織風土」とはなんなのか。著者は組織風土は企業のトップが作り出すとの仮説を立て、それを検証するため企業のトップの年齢、就任年数などと企業不祥事の相関を算出。結果、トップの年齢が高いほど企業の収益はあがるが、就任年数が長くなるほど収益は下がること、また就任年数が長くなるほど企業不祥事が起こりやすいことがわかった。他にも外部との関わりがなく閉ざされたセクションほど不祥事がおこりやすいことを明らかにした。やや論文調でとっつきにくいが組織を考えるきっかけになった。2017/04/04
takuya
7
会社研修の課題図書がわりに読了。会社の閉鎖性と独裁性を科学的に検証してたのはすごいと思った。「会社は公器」は名言。2018/11/16