内容説明
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字体は「文字の骨組みの概念」である。横線を三本書けば「三」、縦線を三本書けば「川」などという概念、これを「字体」という。では横線ではなく点が縦に三つ並んでいたらどうだろう。「三」と読める人もいるし読めない人もいる。概念には個人差があるのだ。文字が誕生してから現代まで、人々はどんな字を読み、書いてきたのか。現在書いている字体はどのように決まったのか。詳細な資料を挙げて字体を読む。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よく読む
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時代や場所によって字は様々な誤解や解釈や写し間違いがなされてきたことな、筆者の楽しげな文章からわかる。文字に正解はない。2018/04/20
テキィ
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これはとても良い入門書。わたり(同じ字種の異字体を一まとめに理解し、状況に応じて使い分ける能力)がもっと普及してほしいとは思う。しかし、戸籍謄本に手書きされた文字そのままで登録して欲しいという人の気持ちを「おまえも、渡れ」というのは、やっぱり難しいだろうなぁ。かくして、異字体の種はつきまじ。しかるに、重ねて、よい本だった。2010/03/03
テツオ
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仕事柄、つねに漢字の字体の差に悩まされている。常用漢字表の前文にはデザイン差と位置づけてあるものもあれば、似ているのに異体と整理されているものもある。一つの字をとっても、文科省ではOKでもJIS(印刷字体)を管轄する経産省では、好ましくないという考えに立っているものもある。そういうこともあり、いったいなにが正しいのかよけい悩むこともある。でも、この本を読んでわかったのは、一つの字体(正字=いわゆる康熙字典体)に固執すること自体に無理があるということ。この本で、漢字(字体)の知識がぐんと上がった気がする。2012/03/05
ncnr
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今まで無意識に使っていた漢字について考えるためのいい材料だった。 様々な時代の文字を見るだけでも楽しかった2011/06/24